METAL GEAR SURVIVE の PV について

小島監督のいないコナミの新作メタルギアである「METAL GEAR SURVIVE」の PV が公開されました。 Twitter などを見るとずいぶん叩かれていて、私も初めて観た時は「何だこれ」と思ったのですが、1日経って冷静に見返すと「そんなにおかしくはない」ということに気づいたので、気づいたことをメモしておきます。

「ゾンビゲー」「まるでバイオハザード」という指摘について

おそらく炎上の1番の原因になったのはこれで、最初に PV を掲載した IGN というゲームニュースサイトに "「Metal Gear Survive」発表!シリーズ最新作はなんとゾンビサバイバル!?" というタイトルだったことに原因があると私は考えています。

現在は以下のタイトルに修正されています。
「Metal Gear Survive」発表!シリーズ最新作はなんとサバイバルアクション!?

PV を観ると、一見ゾンビのように見える敵キャラクターが登場しますが、よく見ると体の一部は腐っているのではなく石のように硬化しているように見えます。

前作 MGSV:TPP では体が石のように硬化した「スカルズ」という敵兵が多数登場しましたが、この作品が MGSV:TPP より少し前の話で、ゾンビのように見える敵キャラクターはスカルズの亜種(スカルズになりかけている人間、あるいは人体実験された人間)であると考えればそれほどおかしくはないと思います。

MGSV:TPPのスカルズ
MGSV:TPPのスカルズ

旧マザーベースの生き残りはまるでゾンビのような動きに

仮に、Metal Gear Survive に登場する敵キャラクターがゾンビだったとしても、MGS2・MGS3・MGS4 では中ボス、MGSV:TPP では雑魚キャラとしてゾンビ(傀儡兵)が登場しており、メタルギアの世界観にゾンビが登場したのは初めてではありません。

そして、MGSV:TPP では「惨劇の生存者」という旧マザーベースの生き残りの兵士たちを回収するミッションがありますが、そこにいた生き残りの兵士たちはなぜかゾンビのような動き方をしていました。

MGSV:TPP ではなぜそのようになっていたのか明かされませんでしたが、Metal Gear Survive ではそれが明らかになるのではと思っています。

マザーベースや兵士たちが空中に吸い込まれていく表現について

PV の冒頭では、MGSV:GZ のエンディングでビッグボス達がヘリに乗って飛び去った後、青く巨大なワームホールと思われるものが空中に現れマザーベースや兵士たちはそこに飲み込まれていくという表現があります。

一見すると無茶苦茶で、私も最初「何だこれ」と思った原因はここなのですが、MGSV:TPP の冒頭でオセロットの話(カセットテープ)として以下の話を聞くことができます。

  • (XOFは)大量のC-4で脚部をふっ飛ばした
  • 出払っている仲間がすぐに駆けつけた だが辺りはもう…ゴミくずが浮いているだけだった
  • (そこがマザーベースがあった場所だとは信じられなかったが)、ぴたりと正確にマザーベースの位置だったらしい

旧マザーベースは巨大なヘックス型プラントで、司令部プラットフォームには高いビルもあったのに、この話を聴く限り大きな残骸はなく、「すぐに駆けつけた」にも関わらず細かいグミくずしか無かったようですがそれは不自然だな、と今まで気になっていました。

しかし「巨大なワームホールが現れ、マザーベースを飲み込んだ」のであればこの話はつじつまが合います。

ワームホールは MGSV:TPP で回収アイテムとして利用でき、戦車や大きなコンテナの回収にも利用できるもので、これが初登場ではありません。

「サバイバル」というテーマはメタルギアに合わないという指摘について

メタルギアシリーズの中で最も評判が良かった MGS3 は、ジャングルでの「サバイバル」をテーマとした作品でした。

主人公たちが棒や弓で戦う表現について

メタルギアシリーズは基本的に銃を使用するため、棒や弓で戦うことに違和感を感じた方も多いかもしれません。

しかし、これまでも銃が使用できない時は、素手(CQC)、体に隠し持っていた糸ノコ、ライターとガスボンベなど様々なアイテムを利用して生き延びるシーンがたくさんありました。

まとめ

私は他のメタルギアファンの方と同じように、コナミの経営陣に対して言いたいことは山ほどあります。

しかし、メタルギアシリーズの生みの親である小島監督は自分がいなくなった後も次の世代がメタルギアシリーズを作り続けることを望んでいましたし、新作を作っているのは旧小島プロダクションの人たちです。

小島監督が去った後のコナミで、ビッグボスが去った後に残された兵士たちの生き方を描く(と思われる)この作品は暖かく見守っていきたいと思っています。