ファンクションキーとTouch Barの話
私は Windows 95 を初めてまともに使ったころからずっとファンクションキー(F1~F12などのキー)の存在に疑問を感じていたのですが、こういう人は少数派なのでしょうか?
あるいは、Touch Bar を搭載した MacBook Pro が発表されたことについて「ディスプレイをタッチパネルにしろ」という意見をちらほら見ますが、Touch Bar とディスプレイのタッチパネル化は全く次元の違う問題であり、話がずれていると感じている人は少数派なのでしょうか。
ファンクションキーはノーヒントすぎる
私がファンクションキーがあまり好きではないのは「あまりにもノーヒントすぎる」ということです。
例えば、Windows ではファイルの保存は Ctrl+S ですが、S は Save(保存)を意味するため比較的覚えやすいと思います。
しかし、Windows のエクスプローラーではファイルのリネームがF2キーです。なぜ F2 なのでしょうか?リネームはアルファベットで Rename なので、例えば Ctrl+R などであれば理解できます。
F2 と Rename には何の関係もなく、リネームしたいと思った時にディスプレイに「ファイルのリネームは F2 キーです」などのヒントが表示されることもなく、あまりにもノーヒントすぎると感じます。
MS-DOS時代はファンクションキーとキーボードショートカットの関係が画面に表示されていた
私は MS-DOS をあまり使用したことはありませんが、MS-DOS ではファンクションキーにどのような機能が割り当てられているかが画面に下の方にずらっと表示されていたようです。 そのため、ファンクションキーが活用しやすかったのだろうと思います。
参考画像: MS-DOS PlayerとVZエディタ に貼られた 141107-1.png の画像 - TAKEDA, toshiya's BLOG
しかし、Windows や旧 Mac OS、現在の macOS では画面上にファンクションキーに何の機能が割り当てられているかは表示されていません。
厳密には、Windows はメニューをクリックすると一部の割り当てが表示される場合もありますが、例えば「カタカナ変換は文字入力中に F7 キー」などということは、どこにも表示されません。
ファンクションキーは生かすべきか、殺すべきか
ファンクションキーは昔の(GUIでない)OSの名残だと思いますが、これをキーボードに残すのであれば画面上のどこかに表示するか、あるいはゲーミングキーボードのようにそれぞれのキーに液晶を埋め込んで「このキーを押すと何が起きるか」をユーザーに伝えるべきであり、それができないのであればファンクションキーはなくした方がいいのではと思っていました。
Twitter で @openspc さんに教えていただいたのですが、Macintosh も最初の頃はファンクションキーがなかったようです。やはり、OSの設計思想とあっていないのではと感じてしまいます。
参考: The Ideal Mac Keyboard Layout
Touch Barは役に立たないファンクションキーを役立つものにできるか?
多くのユーザーにとって、ファンクションキーは「押すと何が起きるかわからないボタン」でしかなく、長らく役に立っていなかったと思います。
私は、キーボード最上段の Touch Bar は以下の点で良いのではと感じています。
- 初心者でも隠された機能にアクセスしやすい
- 初心者でも作業効率をアップしやすい
- 上級者は内容をカスタマイズし、アプリごとだけでなく「状況に応じて」機能の割り当てを変えられるのでさらに効率アップできる
その一方で、ボタンを押した感覚は無くなるはずなので、まずは店頭で触ってみようと思っているところです。
Touch Barを比較する対象はSurface StudioではなくSurface Dial
ここまでお読み頂けた方はお分かり頂けたと思いますが、Touch Bar と Surface Studio(のタッチパネル)を比較するのは次元の違うものを比較しており全く無意味です。
比較するなら、Surface Studio の画面の上に置いてつまみを回して使う Surface Dial だと思います。 こちらの設計思想は Touch Bar とよく似ていると私は感じています。