Amazonプライム会員向け: RAWも含めて写真を無制限にオンラインバックアップする方法

一眼レフやミラーレス一眼など画素数の多いカメラで写真を撮影している方であれば、RAWデータを含めてどうやってバックアップすべきか一度は悩んだことがあると思います。

写真のRAWデータは劣化がないのは良いのですが、ファイルサイズが大きいためPC内蔵のSSDはもちろん外付けハードディスクでも、あっという間にいっぱいになってしまうことがあります。

GoogleフォトやFlickrなどではダメなのか

Googleフォトは無制限に写真がアップロードできますが、RAWデータは一部の機種にしか対応していません。
Flickrはプランによっては無制限にアップロードできますが、RAWデータはアップロードできません。
GoogleドライブやDropboxでは有料プランでも全く容量が足りません。

しかし、Amazonプライム会員ならば追加料金なしで利用できる Amazonプライムフォト があります。
これはほとんどのRAWデータに対応しており、容量も無制限です。

Amazonプライムフォトに写真をバックアップする方法

まず以下のページにアクセスし、MacまたはWindows向けのアプリケーションをダウンロードします。

Prime Photos Applications

アプリケーションを起動しAmazonのアカウントでログインすると、以下のような画面が表示されます。

amazon-driveの画面

ここでバックアップしたいフォルダーを追加したり、バックアップする必要のないフォルダーを除外したりします。
写真以外のデータは容量制限があるため、私は「ムービー」フォルダーのチェックは外して「ピクチャ」フォルダーのみチェックを入れたままにしました。

すると写真がバックアップされます。
私の環境では1時間に1,000枚ほどしかアップロードできなかったため、枚数が多い場合は数日かかる場合もあると思います。

amazon-driveアップロード中

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バックアップされた写真を見るには

Amazon Driveアプリケーションのウインドウ左下にある[バックアップされた写真をWebで表示]のリンクをクリックしても残念ながらページを見ることができませんでした。

WebブラウザでAmazonアカウントにログインし以下のページにアクセスすると、バックアップされた写真が見れるはずです。

Amazon Drive Photos

バックアップされた写真をFacebookなどで共有するには

写真を選択して[共有]ボタンを押し、FacebookをクリックしてFacebookに写真を共有しようとすると、私の環境では何度試してもエラーになりました。

写真を共有したい場合、写真を選択して[メール]ボタンをクリックし、メール本文に書かれたURLをFacebookなどに手動で投稿すれば共有することができました。
しかし、FacebookでOGP画像(サムネイル)が表示されないことがあるなど、不完全な印象を受けました。

バックアップと同期の違い

なぜ今更こんな記事を書こうと思ったかというと、昨日以下のような記事を見て、バックアップと同期を誤解している方が多いのではないかと気になったためです。

写真家の全俺が泣いた。AmazonドライブでRAWデータを完全消去した話。|横田裕市/写真家|note

この記事の冒頭には「バックアップとして機能させていたはずのAmazonプライムフォト」と書いてあります。
にもかかわらず、このブログで解説されている設定は「バックアップ」ではなく「同期」になっています。

バックアップと同期は何が違うかと言うと、バックアップはPCからAmazon Driveに一方的に写真が複製されていくのに対し、同期というのは「双方向に写真が複製されたり削除されていく」という違いがあります。

つまり、同期設定になっている場合、片方から写真を削除するともう片方からも写真が削除されます。

この記事の場合、Amazon Drive側でフォルダーを指定して同期を解除した、つまりAmazon Drive側でフォルダーを削除したために、「フォルダーを削除したということを同期した」結果、ローカルからも写真が削除されたということです。(この部分は訂正します。以下の追記部分をお読みください)

Googleフォトの場合は、はじめてクラウド側から写真を削除しようとしたときは「ローカルでも削除されます」という警告が表示されますが、Amazon Driveの場合そのような警告がないため、何気なく同期を解除した(=フォルダーを削除した)結果、ローカルからもファイルが削除されたということだと思われます。

追記: ファイルがローカルから削除された原因について

写真家の方からTwitterで以下のようにご指摘頂きました。

私は普段、同期機能は使用していないので実験してみたのですが、Amazon Driveアプリでフォルダーの同期を解除するとPCからフォルダーごと削除されクラウド側には残ります。
再びフォルダーを同期すると、ローカルにファイルがダウンロードされます。

しかし、フォルダーを同期している途中、つまりクラウドにアップされていないファイルがある状態でそのフォルダーの同期を外すとフォルダーごとPCから削除されるのでファイルが復旧できなくなるということのようです。

意図しない削除が起きないようにするには

Amazon Driveの同期機能は、うっかりするとオンにしてしまう可能性があると感じたので、以下の設定をしないように気をつけてください。

Amazon Driveアプリケーション右上の歯車アイコンをクリックし、[同期]タブで[同期の有効化]は 絶対にクリックしないでください。
これをクリックしてしまうとフォルダーを同期してしまい、片方から削除するともう片方からも削除されるということになります。

amazon-drive 同期の設定

Dropboxのように、さまざまな種類のファイルを保存する場合は同期の設定が有効な場合もあるでしょう(写真以外は容量制限があるため)。
しかし、写真のバックアップ目的であれば同期機能を使用する理由がそもそもありません(写真は無制限に保存できるため)。

同期によるファイルの消失: Dropboxの場合

同期によるファイルの消失は、たとえばDropboxのようなサービスでも起き得ます。

たとえば複数のPCでDropboxを使用してファイルを同期している時、片方のPCからDropbox内のファイルやフォルダーを別のフォルダー(Dropbox以外のフォルダー)に移動すると、もう一方のPCでそのファイルやフォルダーが消えてしまうということがあります。

これはユーザーから見ると「ファイルやフォルダーを移動しただけ」かもしれませんが、Dropboxから見ると「ファイルやフォルダーは削除された(管理しているエリアから消えた)」ということになったため、「削除されたという結果が同期された」ということになります。

また、フォルダーを複数のDropboxユーザーで共有している場合、誰かがそのフォルダーやファイルを別の場所に移動すると、「削除した」という結果が皆に同期されてしまい、そのファイルやフォルダーが消えてしまうということがありえます。

もし意図しない削除がDropboxで起きてしまった時は、慌てず以下のページにアクセスし、30日以内にファイルを復旧しましょう。

https://www.dropbox.com/deleted_files

結局Amazon Driveは使って良いのか悪いのか

冒頭で紹介した写真家の記事に対する反応を見ていると「Amazon Driveが悪い」「これだからクラウドは信用できない」という反応が数多く見られました。

Amazon Driveの問題は、私は同期を解除するときに「ローカルから削除される」という警告や確認のダイアログが表示されないことだと思っています。

私の場合、趣味で撮影している写真のために外付けハードディスクを買い足していくのは厳しいなあと感じていたので、オンラインバックアップで無制限にRAWデータが保存できるのは非常に助かります。

同期やバックアップなどの設定に気をつけた上で、これからもバックアップに利用していこうと思っています。

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