デザインツールとしてのCanva -バナーだけにとどまらない多様な活用法

デザインツールとしてのCanva -バナーだけにとどまらない多様な活用法

この記事について

この記事は、スマートフォン時代のWebデザインスクールWeb制作の基礎から学べる「Webコーディングスクール」 の資料制作をお手伝いして頂いているemiさんによる寄稿記事です。

Canvaの概要

Canvaは、デザイン初学者からプロフェッショナルまで幅広いユーザーに対応するオンラインデザインツールです。

デスクトップアプリの他にブラウザでも使うことができ、デバイスを選ばないので、PCで途中まで作業していたものを出先でスマホで引き続き作業も可能です。

Canvaはテンプレート、使用できるフォント、素材が豊富です。

素材については7,500万点以上の写真、アイコン、イラストを提供していて、自由に組み合わせて独自のデザインを作成できます。ツール内で素材を選択し、ドラッグ&ドロップでデザインに配置し、組み合わせることでデザインを作成できます。

AdobeのPhotoshopやIllustrator、Figmaなどのプロフェッショナル向けツールと比較して、Canvaは操作も難しくなく、テンプレートの豊富さが強みです。

Adobeの対抗と言われているAffinityを買収したというニュースでCanvaを知った人もいるかもしれません。Affinityを買収したことで、さらに機能が強化されることが期待されています。

Canvaはデザインの専門知識がなくてもデザインを作成でき、使用するデバイスや作業場所を選ばない利便性も大きな魅力のツールです。

どのようなものを制作できるのかなどについて、PhotoshopやFigmaだけではなくCanvaも実際に使用している私が紹介していこうと思います。

テンプレートの種類が豊富

  • デザインが必要だけど、スケジュール的にデザイナーに依頼する時間も予算もない。
  • 自分でデザインをしなくてはいけなくなったけど、どこから手をつけていいかわからない。
  • デザインに興味があるので自分でも作ってみたい。
  • Canvaって聞いたことがあるけど何ができるんだろう。

そんな時にCanvaを使ってならできそう。と思うようなテンプレートがたくさんあります。バナーだけではなく、様々な種類のテンプレートが用意されています。

テンプレートの種類をいくつか紹介します。

  • X(旧Twitter)のヘッダー
  • インスタのストーリーやリール動画などSNS投稿用の動画作成
  • 名刺やポストカード、チラシなどの印刷物
  • プレゼン資料
  • Youtubeのサムネイル、動画
  • Webサイトのデザイン、公開も可能

Canvaではバナーなど画像の制作だけではなく、印刷物や動画、プレゼン資料などの制作が可能です。

ここで紹介した他にもいろいろな種類のテンプレートがCanvaには用意されています。もちろん、テンプレートを使用せずにオリジナルでの作成も可能です。

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印刷物の制作について

塗り足しの設定も可能

印刷物に関してはCanvaでデザインを制作し、注文から配送をしてもらうことも可能です。
作成するデザインによっては「端まで色をつけたい」ことがあるかと思います。
そんな時は塗り足し領域を追加することができます。

余白、塗り足し、定規、トリムマークの使用 – Canvaヘルプセンター

ヘルプページにも記載がありますが、Canva ドキュメントというビジュアル重視の文書ツールは塗り足しなどは利用できないようです。

Canvaから注文も可能

Canva内のメニューのリンクから注文できるので、印刷会社に入稿とかどうやってやるの?という人でも自分の制作したデザインを印刷してもらうことができます。

名刺など印刷物のサイズを選択すると、「Canvaで印刷する」ボタンが表示されます。

制作するもののサイズに困らない
印刷物のデザインを作成する場合はヘッダー部分にボタンが表示

Instagramなど印刷の用途ではないサイズを選択した場合でも、共有メニュー内に、「Canvaで印刷する」があるので、そこから印刷の注文が可能です。

その場合、現在のデザインをリサイズ、微調整する必要がありますが、印刷を注文することができます。

印刷は名刺やチラシだけではなく、カレンダーや招待カード、ステッカー、Tシャツなどまで印刷が可能です。

canvaで印刷できるものが豊富

デザインの印刷注文 – Canvaヘルプセンター

この画面は名刺の印刷を注文を選択した場合です。

名刺のデザインから「canvaで印刷」を選択した場合

動画について

SNS、Youtube、結婚式で流す動画など色々なサイズの動画を作成できます。
これらもテンプレートがあるので、動画を作成したことのない人でも作成できます。

SNSに投稿するために、ちょっとした動きをつけたい。という場合もアニメーションの素材を使用したり、要素が表示される時の動きも用意された中から選ぶだけです。
サンプルではインスタグラムのリールを作成しています。

複数の画像が切り替わるアニメーションも用意された中から選ぶことができます。切り替わるまでの秒数も指定でき、各ページ同じ秒数で切り替わるようにしたい場合もすべてに適用できます。

画面の切り替わりのタイミングをすべてのページに簡単に適用

切り替わるアニメーションを選択する場合もプレビューで確認できるので、確認しながら制作を進めることができます。

動きの部分もプレビューで確認して選べる

プレゼン資料について

Canvaではプレゼン資料も作成できます。

 ホーム画面からプレゼンテーションを選択

Canvaでは発表者モードという便利なモードがあります。
聴講者に見せる画面と、発表者がメモを見ながら話せる画面の2画面を表示してプレゼンできるのが発表者モードです。
発表者モードでは、発表する人がスライドの画面とメモを見ながら話すことができ、聴講者には発表用のスライド画面を表示できるモードです。
また、プレゼンと録画はプレゼンテーションをしながら同時に録画できるモードです。

プレゼンテーション:全画面表示
プレゼンテーション:発表者モード
プレゼンテーション:プレゼント録画

プレゼンテーションモード – Canvaヘルプセンター

無料と有料でできることの違い

Canvaは、無料でも十分使えるデザインツールですが有料プランで使用するとさらに制作がしやすいようになります。無料と有料でできることの違いを紹介します。

無料プランについて

無料プランではデザインを作成する際に困ることがほとんどないくらい、無料プランで十分に制作が可能です。
また、作成したデザインを共有、ダウンロードもできます。

素材やフォントについて
使用できる素材や使用できるフォントに制限がありますが、無料でも結構な数があります。
素材やフォントを検索する際には、無料のものに絞り込んで検索が可能です。

無料で使えるフォントをゴシックに絞り込んで検索

無料で使用できるゴシックのフォントだけでもこの数

素材の検索は、無料のものに絞り込むだけではなく、カラーやアニメーションなしの素材に絞り込むこともできます。
印刷物などの場合にはアニメーションの素材は使用しても動きが出せないため、静的な素材のみ検索結果に出てくると探しやすくなります。

素材をカラー、アニメーションなし、無料のものに絞り込んで検索可能

また、無料の素材でなかなかイメージに合うものが見つからない場合は、自分で制作した素材をアップロードして使用することも可能です。

共有も可能
作成したデザインを共有して閲覧してもらうことができます。また、編集権限を付与して共有すると共有された側の人もデザインの編集が可能です。

共有された人はログインしなくてもゲストとして閲覧できます。編集権限があれば編集も可能ですが、作成した後にダウンロードができないなど、使用できる機能が制限されます。

Canvaで作成したデザインを誰とでも共有して共同作業を行う – Canvaヘルプセンター

そのほか無料版で使用できる機能などについて、詳しい内容はこちらから確認できます。

Canva(無料版)

有料プランでできること

ここで紹介する有料プランはCanvaプロのプランについてです。
Canvaプロの他にCanvaチーム、Canvaエンタープライズというプランがあります。

私が利用しているのはこのCanvaプロなのですが、無料プランでも十分使用できるのになぜCanvaプロのプランで利用しているのかは次の3つが主な理由です。

  • サイズの変更が簡単
  • 有料素材を使いたい
  • 使用するフォントの種類を増やしたい

サイズの変更が簡単
バナー制作時にサイズのバリエーションを作ることがあります。

有料プランでは現在制作しているデザインをそのままリサイズ、または複製してサイズ変更を自動で行えます。サイズ変更後に微調整をしなければならないことがほとんどですが、それでも最初から別のサイズで同じものを作成するよりは時短となります。

サイズ変更したいものを選べる
サイズ変更時にはプレビューが表示され、複製もするかサイズのみ変更するか選択できる

有料素材を使いたい
無料で素材を検索していると、これ良さそう、使いたい。と思った素材が有料プランで使用できるものだったりします。

制作時に提供される素材があればいいですが、自分で素材を探す場合にはイメージに合うものを探す必要があるので選択肢がたくさんある方がいいですよね。

編集権限をもったユーザーが、無料プランの場合は有料素材を使用したデザインをダウンロードすると透かしの入った状態になります。

有料素材が含まれるデザインのダウンロード – Canvaヘルプセンター

使用するフォントの種類を増やしたい
フォントも素材の場合と同じで有料プランだと使用できるフォントがかなり増えます。

無料プランユーザーが編集権限を付与された形でデザインを共有されても、指定されたフォントが適用されない。ということはなくそのまま表示されます。

無料プランのユーザーが有料フォントを使用したデザインを共有された場合

有料版のCanvaプロで使用できる機能などについて、詳しい内容はこちらから確認できます

Canvaプロ

まとめ

Canvaは誰でもデザインができるようなツールですが、Canvaの他にもAdobe Expressというのがあります。

何度かAdobe Expressを使ってみたのですが、どうしてもCanvaの方が慣れているため、Adobe Expressの操作に慣れる前にCanvaを使ってしまいます。

特に依頼など受けず自分でSNS用の画像を制作して…などの場合は問題ないのですが、実際に私はクライアントから依頼を受けてチラシを制作したり、SNSにアップする用の画像や動画を作成したりということに使用しています。

ちょっとした文字の変更を自分でしたい。という要望もあるのでデザインツールの選択肢としてCanvaを使うというのもいいと思います。

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