私はこれまでスマートフォンはiPhone 5sを使い続けていたのですが、最近HUAWEI Mate 9に買い替えました。
この記事ではHUAWEI Mate 9を使ってみてどうだったかということと、iPhoneをこれまで使っている人がAndroidに乗り換えてどうだったかということについて書きたいと思います。
先に結論を書いてしまうとHUAWEI Mate 9は細部までかなり出来が良く、評価が高いのも納得の出来でした。
iPhone 5sから乗り換えると、スマートフォンの使い道がとても広がったように感じます。iPad Pro 9.7インチと比較してもかなり便利に感じます。
実は2016年からHUAWEIのスマートフォンを検討していた
私は画面の小さなスマートフォンが好きでiPhone 5sを使い続けていました。買い換えるならできればiPhone 5sのような小さな画面で高性能なスマートフォン高性能なカメラが付いたスマートフォンが良いと思っていました。
そのため画面が小さくて高性能なスマートフォンを探し続けていたのですがいつまでたっても出てくることはありませんでした。
仕方がないので、2016年の終わり頃から大画面で高画質なカメラが付いたスマートフォンを探し始めていました。
その際最も気になっていたのが、HUAWEI P9というAndroidスマートフォンでした。
HUAWEI P9はライカが技術協力したダブルレンズ搭載で、カメラの質が良い事を売りにしていました。
店頭でP9を試したところ、撮影した写真をピンチアウトで拡大すると電線や黒い文字の周辺などに不自然な白い境界線が出てしまっていました。Photoshopでいう「アンシャープマスクをかけすぎたような状態」です。
写真の質に納得がいかなかったため、P9はスルーしていました。
HUAWEI Mate 9との出会い
2017年に入ってからiPhone 5sの調子が悪くなってきました。具体的にはバッテリーの持ちが極端に悪くなる、ディスプレイの一部が浮いてしまうなどです。
iPhone 5sの調子が悪いなーと思っていたある日、下北沢オープンソースCafeに行ったところオーナーの方がHUAWEI Mate 9に買い換えたばかりで端末を触らせていただけました。
端末を触った時に割としっくりきたことと、iPhone 5sシルバーを初めて見た時のような格好良さを感じたことと、ベゼル(ディスプレイ周囲の枠)が狭くて良いなと感じました。
カメラはライカのデュアルレンズが第2世代になっていて、電線や黒い線の周囲にほとんど白い境界線が見えることはなくなっていたため、購入を決めました。
下北沢オープンソースCafeのオーナーの方もMate 9をかなり気に入っているとのことで、ネットのレビューを見てもAmazon、価格ドットコムなどでも非常にレビュー評価が高く、これならiPhoneから乗り換えてもそれほど不満はないかもしれないと感じました。
※Amazonには、私が購入したあとに低評価レビューがいくつかつきましたが、それについては記事の最後で触れています。
開封の議
HUAWEIが日本で販売しているスマートフォンは3ラインあり、Mate 9はその中で最上位のモデルとなっています。そのためか箱にもかなり高級感があります。
- 保護フィルムが液晶ディスプレイに貼り付けてある
- 透明な保護ケースが付属
- 超急速充電器も付属
- もちろんイヤフォンも付属
貼られている保護フィルムにはもちろん気泡は入っていませんし、iPhone以外の保護ケースを探すのは少し面倒なので、保護ケースが最初からついているのは助かります。
超急速充電器
箱にはUSB-Cの「超急速充電器」も入っていました。この充電器はMate 9専用のチップが埋め込まれており、MacBook Proなど他の機器は充電できませんが、Mate 9を「超急速充電」できます。
試しにMacBook Pro 13インチのACアダプターなどと比較したところ、ロック画面の表示は以下のようになりました。
- Mate 9付属の超急速充電器: 「超急速充電中」の表示、ほとんど熱くならない
- MacBook Pro 13インチのACアダプター: 「急速充電中」の表示、熱くなることがある
- MacBook Pro 13インチ本体のUSB-C端子: 「充電中」の表示、ほとんど熱くならない
正直に言うと、最初「中国製品の超急速充電って大丈夫か?」と不安だったのですが、充電速度はとても速い割に本体が熱くならないため、MacBook Pro 13インチのACアダプターより付属の超急速充電器で充電した方が良いのではと思っています。
超急速充電の場合、バッテリーがほとんど空の状態からでも1時間かからずほぼ100%になります。
画面の大きさについて
私はこれまで画面の小さなスマートフォンしか使用していなかったので画面の大きなスマートフォンに買い換えるにはかなり勇気がいりました。
画面の大きなスマートフォンを検討する中で、iPhoneよりもAndroidの方が使用しやすいのではと思っていました。その理由としては常に画面の左下に戻るボタンが表示されていることです。
iPhoneの場合戻るボタンが左上に表示されていることが多く、片手持ちの場合指が届きません。
しかし左下に戻るボタンが常に表示されていれば片手でも操作しやすいのではないかと思っていました。
実際に使用してみて、やはり左下に戻るボタンがあると操作がしやすいと感じます。
仮想キーボードが表示されている時は左下の戻るボタンが仮想キーボードを非表示にするボタンに変わるため、邪魔になった時もすぐキーボードを消すことができて便利です。
そして、Mate 9の場合通知を表示するために画面の上の端から下方向にスワイプする必要がありません。
背面の指紋センサーを上から下にスワイプすると通知が表示されます。
そのため、画面の上の方をタップやスワイプすることはほとんどなく、特に不便に感じることはありませんでした。
気に入ったところ
まず端末の端ギリギリまでディスプレイがあるというところです。
見た目がかっこいいだけでなく端末の大きさの割に画面が大きいので利便性も高いです。
デザインもiPhone 5sシルバーを進化させたような見た目なので気に入っています。
背面のカメラは僅かに飛び出していますが、端末の中央にあるおかげで机の上に置いた時に端末が斜めに傾いて困るということはありません。
従来のステレオミニプラグのヘッドホンが接続できるだけでなく、USB-C端子が付いているのでMacBook ProからUSB-Cケーブルで充電できるのはもちろんUSB-Cオーディオ出力もできます。
将来的にUSB-Cのヘッドフォンの購入なども検討しています。
写真の撮影と編集について
大画面で良かったと感じるのは、やはり写真を撮影し編集加工する時です。
4インチのiPhone 5sでは写真の編集がやりづらいと感じることがありました。
試しにiPhone 5sとHUAWEI Mate 9とCanon G7 X(コンデジ)の3つを同時に持ち出して写真の撮影をしてみたところ、圧倒的にMate 9が写真撮影がしやすいと感じました。
画面が大きいと細部までピントが合っているか、余計なものが写り込んでいないかなどを確認しやすいと感じます。
純正のカメラアプリについて
純正のカメラアプリは起動が早い割にかなり高機能です。
HDR撮影やモノクロ撮影はもちろんRAWでの撮影、シャッタースピード感度の変更、ウォーターマークを追加したりもできます。
グリットや水準器の表示などもできます。
▲ウォーターマークを入れた写真
あえて使いづらいところをあげるとしたらRAWで撮る時の条件が厳しいことでしょうか。例えば「モノクロ」をオンにするとRAWがオフになってしまいます。
撮影した写真について
昼間の外など明るい場所で撮影した写真であれば綺麗に撮影できます。私は、街を歩きながら気に入ったものを撮影するときに、以前はCanon G7 Xという高級コンデジを持ち歩いていますが、今はMate 9しか持ち歩かなくなりました。
暗めの室内などは苦手(カラーノイズが出たりする)なようですが、真っ暗な夜間はなぜか綺麗に撮影できます。
写真撮影について
HUAWEI Mate 9の背面カメラには、1200万画素カラーセンサーと2200万画素のモノクロセンサーの2つが付いています。
純正カメラアプリで撮影した場合これらの2つのセンサーで同時に撮影しています。
画素数の高いモノクロセンサーを使用するため、カラーセンサーだけで撮影した場合に比べ、ディテールがはっきりした鮮明な写真を撮影することができます。
例えばA3より一回り大きい英字新聞をカラーセンサーとモノクロセンサーの両方を使用して撮影した場合とモノクロセンサーを指で塞いでカラーセンサーだけで撮影した場合写真を拡大するとその違いがわかります。
▲英字新聞(写真全体)
▲上の写真の部分拡大、左がカラー撮影、右がモノクロ撮影
右のモノクロ撮影の方が文字が読みやすいことがおわかりいただけると思います。
個人的にMate 9で写真撮影する場合、モノクロ写真がお気に入りです。
純正カメラアプリで右方向にスワイプするとオプションが表示されます。ここで白黒を選択するとモノクロセンサーだけを使用して撮影されます。
モノクロセンサーだけを使用して撮影した写真はとても鮮明で、個人的には1インチセンサーの高級コンデジ(Canon G7 X)で撮影した写真とほとんど区別がつきませんし、それより鮮明に見えることもあります。
画像編集について
RAWで写真撮影して色補正・書き出しするとき、最初はAdobe Lightroom Mobileアプリでやっていたのですが、標準の「ギャラリー」アプリ(HUAWEI製)の方が圧倒的に速く、機能も多いことに気づいたため、そちらでやるようになりました。
写真を撮影したら、画面左下のサムネイルをタップするとギャラリーアプリで表示されます。
ギャラリーアプリでは以下のようなことができます。
- トリミング(切り抜き)
- 回転
- フィルター
- イリュージョン(写真の一部を除いてぼかす)
- グラフィティ(指で線を描く)
- ウォーターマークの追加
フィルターをタップするとカテゴリーが選べます。
モノクロ、ノスタルジア、シャドウ、クラシックなど8種類のカテゴリーがあり、それぞれ数個のフィルターが入っているためかなり多彩です。フィルターの強さも調整できます。
フィルターの適用効果をプレビューするサムネイルもLightroomでは表示に時間がかかりますが、ギャラリーアプリでは一瞬で表示されます。
写真に吹き出しをのせることも、ギャラリーアプリの補正で行えます。ここまでできる標準ギャラリーアプリは少ないのではないでしょうか。
ユニークなのは、写真のフィルターに[写真]というものがあり、どういうことかというと、たとえば撮影した写真の色を青空のような色にしたいと思ったら、[写真]フィルターで青空の写真を選べばそのような色になります。
ワイドアパーチャ(ソフトウェアによる被写界深度機能)をオンで撮影したものは、後でピントの位置や被写界深度を変更することができます。
なかなか面白い機能ですが、たとえばこの写真の場合看板の上の空間がうまくぼけていなかったりと、うまくいかないことも多いです。(余談ですが、同じような機能を搭載したiPhone 7 Plusでもうまくいかないことが多いです)
端末が大きすぎることによるデメリット
スマートフォンが大きすぎて困ると感じるのは通話の時かもしれません。
大きなスマートフォンを耳に当てて通話していると、どうしても違和感を感じることがあります。
私の場合自宅で一人で通話するときはHUAWEI Mate 9を机の上に置いてハンズフリーで通話することが増えました。
iPhone 5sの場合ハンズフリーだと声が遠いと言われることが時々ありましたが、Mate 9では今のところそのようなことはありません。
指紋認証センサーについて
Mate 9の指紋認証センサーは背面にあります。
iPhoneでは前面にあったのでロック解除するとき操作しづらくないか不安に思っていましたがすぐに慣れました。
私は左手でスマートフォンを持つので左手の人差し指でロックを解除することが多いです。
指紋認証はとても早く正確です。あまりにも指を当ててからロック解除されるまでが早すぎるので「適当に指を当ててもロック解除されてしまうのでは」と疑っていつもと違う指を当てましたがロックは解除できませんでした。
ただ、2週間ほど使用していると、センサーが汚れたためかうまく認識されないことも増えました。
綿棒などで指紋センサーを掃除するとまた認識されるようになりました。
バッテリーの持ちについて
4000mAhもあるバッテリーのおかげでバッテリーが無くなって困るようなことは全くありません。
HUAWEI Mate 9にしてからモバイルバッテリーは一度も持ち歩いていません。
3Dのゲームを長時間プレイしたり動画をずっと観るような使い方でなければ、バッテリーが足りなくて困るようなことはまずないと思います。
私の場合、それほど使用していない日は2日に1回しか充電していません。
超急速充電器のおかげで、大容量バッテリーであるにもかかわらず1時間もあればフル充電できます。
個人的には、バッテリーの容量はもっと少なくても良いので、少しでも軽くして欲しいとも思いました。(Mate 9本体は190g)
見えない部分にコストをかけているかどうかについて
安いWindows PCは見えないところやユーザーが気づきにくいところのコストを削っていることがあるため、Androidもそうではないのだろうかと思っていました。
例えばディスプレイやCPUはスペック表で比較しすいのでコストをかけたとしても、内蔵マイクの品質は利用しているユーザーでも気づきにくいため、コストを削っているのではないだろうかなどと疑っていました。
しかし、実際はHUAWEI Mate 9に搭載されているマイクは「クワッドマイク」と呼ばれる4つのマイクが内蔵されており非常に騒音に強いです。
標準の録音アプリを起動すればどういうことか分かりやすいと思いますのでスクリーンショットをお見せします。
▲インタビュー: 2者間の対話に最適
▲会議: 単一の音源を識別し、該当する方向からの集音音質を向上
このように様々な録音モードがあり、標準のカメラアプリでビデオ録画する際も指向性マイク機能をオンにすることができます。
もちろん通話の際も指向性マイクをオンにすることができます。
iPhone 5sではハンズフリーモードで通話していると「声が聞き取りづらい」と相手に言われることがよくありました。
しかし、Mate 9ではそのようなことは全くありませんでした。
iPhone 5sでは人混みの中でSiriを使用すると誤認識が多く非常に使いづらかったですが、Mate 9では人混みの中で「OK Google」を使用しても誤認識がほとんどありません。
HUAWEI Mate 9を買った理由
購入した理由はいくつかありますが、まず「私の周囲にいる優秀なフロントエンドエンジニアの方がiPhoneから画面の大きなAndroid端末に買い替えているのが気になった」というのがあります。
なぜフロントエンドエンジニアの方が買い替えてるのか気になったかと言うと、フロントエンドエンジニアの方は普段iPhoneも含め沢山のスマートフォンを触っているはずなので、メインのスマートフォンとしてAndroidを選択するということは、最近はAndroidの方がよく出来ているのではないか と気になったからです。
そして「一般の方はスマートフォンがあればPCはいらない」と言っている方が多いのも少し気になっていました。
私自身は全くそうは思っていなかったのですが、ひょっとしたら大画面のスマートフォンだと少しは違うのかなと気になっていました。
あとは、私は以前はWindows Mobileのスマートフォンなども使用していたのですが、iPhone 4以降iPhoneしか使用していなかったので、たまには違うものを使ってみたくなったというのもあります。
iPhoneから乗り換えてみてどうだったか?
初めてiPhoneを買った時は色々なアプリケーションを試したりして楽しんでいたのですが、いつのまにかSNSや通知を見るくらいにしかiPhoneを使わなくなっていました。
Mate 9を買ってからはゲームを楽しんだり、ブログの下書きにも使うようになりました。
特に、街を歩いていて気になったものを撮影し、色補正してSNSに投稿することが非常に増えました。
500pxという写真SNSに新しくアカウントを作り、Mate 9で撮影した写真をアップしています。
モノクロ写真は無加工、カラー写真は色補正しています。良かったらフォローしてみてください。
リンク: Stocker_jp Photos / 500px
純正アプリについて
購入する前に不安に思っていたことの1つが純正アプリです。
HUAWEI Mate 9ではカレンダー、メモ、ミュージックなどのアプリケーションがHUAWEI独自のUIになっています。
見た目はiOSの標準アプリに似ていますが iOSの標準アプリよりもシンプルで分かりやすく、操作に統一感があり、正直iOS標準アプリより使いやすい と私は感じています。
ミュージックアプリの場合
たとえば、音楽を再生するための「ミュージック」アプリは、iOS標準のものはiOS 7以降UIが分かりづらいだけでなく、月額サービスである「Apple Music」のゴリ押しがひどくて使いづらいと感じていました。
Mate 9の標準ミュージックアプリは、UIがシンプルで分かりやすく月額サービスなどの宣伝が含まれないのはもちろん、ハイレゾ音楽ファイルとしてよく使われている「FLAC」に対応しており、最初からFLACの曲が3つ入っていました。
※たとえば、mora という音楽配信サービスで購入できるハイレゾ音楽ファイルはFLAC形式です。
音楽を再生しているときは、[dts] ボタンを押すとdtsサラウンド効果のオンオフが選べます。
オンにすると、低音が良い感じに強調されて立体感が出る感じがします。
Mate 9はUSB-CのヘッドフォンやBluetoothヘッドフォンだけでなく、従来のステレオミニプラグのヘッドフォンも接続することができます。
final(旧Final audio design)のHeaven V Aging(小売価格3.2万円程度)のカナル型イヤフォンで音楽を聴いてみたところ、iPhone 5sと比べると明らかにMate 9のほうが綺麗で、iPad Pro 9.7インチと比較すると甲乙付けがたい感じがしました。
ただ、dtsオンにすると低音が良い感じに強調されて立体感が出るため、私はMate 9でdtsオンが好みです。
そして、ミュージックアプリに限らず Mate 9では内蔵スピーカーがステレオに聞こえます。
スピーカーは1つですが、通話用スピーカーからも音を出すことでステレオに聞こえる仕組みです。
通話用スピーカーの方から出る音は音楽用スピーカーからの音に比べてやや小さく、低音も弱いですが動画を観たり、音ゲーをプレイするときなどにiPhone 5sと比べてかなり臨場感が出ていると感じます。
iPhoneと比べて欠点をあげるとすれば、ロック画面で音楽のシークバーが出ない(一時停止・次の曲・前の曲へのボタンのみ)です。
カレンダーアプリの場合
カレンダーアプリは、表示がすっきりしてとても見やすいです。
しかし、私はカレンダーアプリを起動することがあまりなくなりました。
なぜかというと、Androidはホーム画面に「ウィジェット」を配置することができるため、Event Flow Calendar Widget を使用してホーム画面に今後の予定を表示しているためです。
予定の名前の部分はスワイプでスクロールして先の予定を見ることもでき、タップするとカレンダーアプリで個別の予定を見たり編集することができます。
カレンダーに新しく予定を追加するときは、Macのカレンダーアプリ(Googleカレンダーで同期している)や、Mate 9に「OK Google, 木曜18時に美容室の予定をセット」のように話して予定を追加することが多いです。
ATOKキーボードについて
Androidを使い始めたらぜひ使ってみたいと思っていたアプリケーションがATOKキーボードです。
iOS版のATOKは評判が悪いですがAndroid版のATOKはかなり評判が良く、このためにAndroidを使っているという方もツイッターで時々見かけていました。
Google日本語入力ではユーザー辞書がMac版と共有できませんが、ATOKならユーザー辞書がMac版と共有できるので便利だろうと思っていました。
Android版のATOKを使った感想としては、変換の賢さよりも辞書の共有と細かく設定ができることが便利に感じました。
例えば推測入力候補は2段表示にし、誤タップを防ぐためにフォントサイズを大きくしています。
この推測入力候補の部分は下にフリックすると候補の一覧が出るのは当然ですが、上方向にフリックすると画面いっぱいに候補が出るので素早く選択することができます。
キータッチ時の振動の長さの変更
個人的に嬉しかったのが、キータッチした時にどれくらいの長さ振動するかを設定で変えられることです。
標準の設定では、ほかの仮想キーボードも含め、振動する時間が長すぎると感じます。
例えばMacBook Proの場合、トラックパッドをクリックしたときに軽い振動を返すことでクリック感を出します。しかしAndroidの仮想キーボードは振動する時間が長すぎてクリック感を感じないと思っていました。
私はATOKの設定で振動する時間を3msに設定しています。
マッシュルームアプリ
あとは、マッシュルームアプリを呼び出せるという利点もあります。
マッシュルームアプリとは、Simejiという仮想キーボード向けの連携アプリで、顔文字などを入力したり音声入力を行ったりする補助アプリのことです。
しかし、Simejiは以前に個人情報を勝手に漏洩していたという問題もありインストールをしたくないと思っていました。
しかし、ATOKを使用すると、Simejiをインストールすることなくマッシュルームアプリが簡単に呼び出せるので安全で便利だと感じます。
Mate 9の独自機能
以下の機能はあまり他のAndroidでは見たことかないため、Mate 9(またはHUAWEIのスマートフォン全般)の独自機能と言っても良いのではと思います。
間接を使用したジェスチャ
たとえば、指の関節を使用して、ドアをノックする感じで画面を2回叩くとスクリーンショットが撮影できます。
cと描くとカメラ、eでChrome、mでメールアプリを起動できます。起動するアプリは変更できます。
縦持ちの時は横に、横持ちの時は縦にスワイプすると画面を分割し、たとえばYouTubeの動画を観ながらChromeも見るといったことができます。
スクロールスクリーンショット
これはWeb制作者・アプリ制作者の方にはとてもうれしい機能です。
縦方向にスワイプでスクロールするアプリであれば、スクリーンショット撮影時に表示されるモーダルウインドウの右下にあるボタンからスクロールスクリーンショットを撮影できます。
たとえば、このブログをAndroidのChromeで表示すると右上に学校のマークが固定表示されますが、それは無視してページの内容だけをうまく撮影してくれました。
ディスプレイの色温度が自由に変えられる
設定画面から変更できます。
メモリとストレージの表記が異なる件について
私がMate 9を購入するまでは、Amazonなどのレビューではほぼ絶賛するレビューしかありませんでした。
しかし、私が購入した直後くらいに「HUAWEIのウェブサイトにMate 9のストレージはUFS 2.1と書いてあるにも関わらず2.0のものがある」ということや、「メモリがLPDDR4と書いてあるにも関わらずLPDDR3のものが多い」ということで炎上しました。
公式サイトに書いてあるものと異なるストレージやメモリが使用されているのであれば問題だなぁと思って見ていたのですが、どうやら怒っている人たちは公式サイトと異なるストレージが使われていることよりも「他の人が購入したMate 9よりも、自分が購入したMate 9のストレージの方がベンチマークソフトで遅い値が出ている」ことが許せなくて怒っているように見えました。
そして、UFSについて調べていると、怒っている人達は「UFS2.0よりも2.1の方が速いに決まっている」ということで怒っているようですが、実際はそうとは限らないようです。
そして、「サムスン製のUFSと東芝製のUFSが搭載されている場合があり、サムスン製の方が速く東芝製の方が遅い」ということで怒っている方もいるようですが、同じ問題はMacBook Airの時にもありました。
MacBook Airの時はサムスン製のSSDはシーケンシャルリードで 220MB/s 出るのに対して、東芝製のSSDは 160MB/s 程度しか出ないというものでした。
それに対して、Mate 9のストレージの場合最も遅い方でもシーケンシャルリードで 500MB/s 以上出ているようです。
個人的にはサイトに書かれているのと異なるストレージが使用されているのはよくないと思いますが、最低 500MB/s も出ているのであれば特に実用上問題があるとは思いません。
メモリに関しては個人的に気になったため、HUAWEIのチャットサポートで問い合わせました。
すると、「HUAWEIのウェブサイトに書いてある情報が正しい。他社製アプリケーション、つまりターミナルで表示される情報については弊社からはコメントできない」ということでした。若干もやっとしますが素直に信じるのであれば「Mate 9のメモリはすべてLPDDR4である」ということになります。
ただ個人的には、メモリは本当にLPDDR4なのか結構疑っています。
例えば2016年末に発売されたMacBook Pro Touch Barモデルは18万円近くするにもかかわらず、LPDDR3メモリを搭載しています。
「スマートフォン用のLPDDR4メモリーはかなり貴重で生産量が少なく価格も高いはずなのに、5万円と少しで買えるスマートフォンに搭載されているということが本当にあり得るのだろうか?」と購入前からかなり疑っていました。
個人的にはMate 9はかなりサクサク動いておりカメラやマイクの性能など含めてかなり満足度は高いので、ストレージがWebサイトの表記と異なるのは良くないと思いますが、だからといって返品するほどではないかなあと思っています。
終わりに
ところで、このブログ記事がMacやWindowsではなくスマートフォンで書かれたと聞いたらどう思うでしょうか?
この記事はMate 9を使用し、Google音声入力で下書きをしています。
Google音声入力を使用した場合、句読点が入力できないことや余計な半角スペースが入るため、ファイルをDropboxでMacに送り、CotEditorというテキストエディターで以下の作業をしています。
- 半角スペースを置換で削除
- アルファベットの大文字小文字を検索置換で直す
- 句読点を追加
そのほか、読みづらい部分を手作業で修正はしているものの、基本的にこの記事に書かれている文章はMate9を使用し、Google音声入力で書いたものです。
エディタは、iA Writer for Androidというテキストエディターを使用し、音声入力は途中までは純正のGoogle音声入力キーボードを使用していましたが、途中からは「音声入力まっしゅ」というマッシュルームアプリをATOKから呼び出してそちらで音声入力をしています。
音声入力まっしゅというアプリは入力候補が自分で選べることや、ある程度句読点を入力することができるため音声入力でのブログの下書きがさらに楽になりました。
MacやiPhoneの音声入力と比べた場合、Mate 9はクワッドマイクやGoogle音声入力の精度の高さもあり、圧倒的に誤入力が少なくアルファベットもある程度書けるので非常に楽でした。
「大画面のスマートフォンがあればPCはいらない」とまでは言えないですが、写真撮影→RAW現像して各種SNSに投稿する場合や、ブログの下書きなどMacでやるより便利なことはいくつかあると感じています。