この記事は、Photoshop CC 2014 の新機能をWebデザイナー視点からまとめた記事です。
6月19日の「Adobe Create Now 2014」および、6月23日の「アドビ 報道関係者向けCreative Cloud 最新製品 デモセッション」で聞いた話を含みます。
新機能の一覧
現在私が把握している、Photoshop CC 2014 の新機能は以下のとおりです。
Webデザイン制作に深く関係しそうなものは太字にしています。
- ぼかしギャラリーのモーション効果
- 文字ツールでフォント検索が可能に
- ライブフォントプレビュー
- 開いたPSDにフォントが存在しなかった場合、Typekit のフォントで置換可能に
- スマートガイドでオブジェクト間の距離を表示、均等に配置が可能に
- リンクされたスマートオブジェクトのレイヤーカンプの切替が可能に
- 焦点領域
- 埋め込まれたスマートオブジェクトをリンクに変換
- リンクされたスマートオブジェクトのパッケージ化
- コンテンツに応じて拡大・縮小のブレンド・グラデーションの向上(スピードも400%向上)
- 3Dプリント機能でサポートする3Dプリンターが増えた、複数のトーンでのプリントに対応した
- Windows 8 でのスタイラスサポートの拡張
- カラールックアップテーブルの書き出し
- 大きなファイルから PNG を問題なく保存できる(2GBまで)
- グラデーションエディターで、option(Alt)キーを押しながらクリックして新規カラー(不透明度)分岐点を追加すると、その地点のカラー不透度)が適用される
- 「設定を同期」でワークスペースの同期が可能に
- レイヤーパネルの「CSS をコピー」で「シャドウ (内側)」のサポート。「box-shadow: inset」になる
- ブラシツールのブラシプリセットピッカーにて「最近使ったブラシ」の表示
- 「カラー」パネルを縦に伸ばすことができるように
- 「カラー」パネルのオプションでAdobeカラーピッカーのように「色相キューブ」と「明るさキューブ」が選択できるように
- MPEG-2 動画やドルビーオーディオのサポート(読み込みのみ)
- Sony RAW や Canon RAW などのビデオフォーマットのサポート
- 「コンテンツに応じる」の機能強化。「カラー適用」オプションでより自然に。「コンテンツに応じた移動」ツールではオプションバーの歯車をリッし、カラーの数値を増やすことでより自然に
- トーンカーブ補正のダイアログが新しくなった
すべてを詳しく紹介することはできないため、この記事では特にWebデザインに関連が深いものに絞って紹介します。
スマートガイドでオブジェクト間の距離を表示、均等に配置が可能に
移動ツールやパスコンポーネント選択ツールで、command(Ctrl)キーを押すと、長方形などのシェイプ間の距離を表示できるようになりました。
複数のシェイプを均等に配置したい場合は、まず2つのシェイプを配置し、それらのシェイプを複製するなどして3つめを配置しようとすると、2つめのシェイプと等間隔に配置しやすいよう、スマートガイドが表示されます。
文字ツールでフォント検索が可能に
テキストツールのオプションバー、または「文字」パネルのフォントファミリー名が表示されている部分にフォント名の一部を入力することで、フォントの検索が可能になりました。
ライブフォントプレビュー
フォントファミリーの一覧の上にマウスカーソルがある時、カンバス内でそのフォントファミリーがプレビューされます。
リンクされたスマートオブジェクトのパッケージ化
Photoshop CC から、ヘッダーやフッターなど、各ページの共通パーツを[ファイル>リンクを配置…]からリンクされたスマートオブジェクトとして配置できるようになりました。
それらのファイル(PSD)をまとめて他の方に送る際、[ファイル>パッケージ化…]からパッケージ化してひとまとめに送ることができるようになりました。
埋め込まれたスマートオブジェクトをリンクに変換
スマートオブジェクトを選択し、「属性」パネルの「リンクされたアイテムに変換」をクリックすると、スマートオブジェクトをリンクされたスマートオブジェクトに変換できるようになりました。
グラデーションエディターの改善
グラデーションエディターで、option(Alt)キーを押しながらクリックして新規カラー(不透明度)分岐点を追加すると、その地点のカラー(不透明度)が適用されるようになりました。
「クリックのみ」だとグラデーションの色が変化してしまうのに対し、option(Alt)+ クリックだとカラーが変化しないため、微調整がしやすいです。
「カラー」パネルの改善
「カラー」パネルのオプションでAdobeカラーピッカーのように「色相キューブ」と「明るさキューブ」が選択できるようになりました。
Illustrator のように、「カラー」パネルを縦に伸ばすこともできます。
バグ修正
メニューの検索
OS X のほとんどのアプリでは、メニューの「ヘルプ」からメニュー項目の検索が可能です。
Photoshop CC で、ようやくこのメニュー検索に対応したのですが、たとえば「ぼかし」で検索して「フィールドぼかし…」などの項目を選択しても何も起きない(ダイアログが表示されない)ことがありました。
Photoshop CC 2014 ではそれが改善されたようです。
新しい問題
「キーボードショートカット」の表示バグ
[編集>キーボードショートカット]のダイアログの表示が、Windows版、Mac版ともにおかしいです。
「アプリケーションメニューコマンド」の表示領域が異常に狭く、仕切り部分を動かすこともできないため、長いメニューコマンドが最後まで表示されません。
追記: このバグは 2014.2.2 バージョンで修正されていることを確認しました。
Flash/Flexを使用したプラグインが使用不可
Photoshop CC 2014より、Flash や Flex を利用したプラグイン・エクステンション・拡張パネル類が使用できなくなりました。
そのため、CSS Hat や Renamy など多くのプラグイン・エクステンション・拡張パネル類がそのままでは使用できません。
CSS Hat を開発している企業からは、Flash/Flexを使用しないバージョンを開発中である旨のメールが届きました。
今後のバージョン表記について
これまでのように「17.0」のようなバージョン表記は今後は使用せず、「2014.1」のようなバージョン表記になるそうです。
古いバージョンが必要になった時は
「Creative Cloud」アプリケーション(メニューバーやタスクバーに常駐しているもの、なければ Spotlight やスタートボタンなどで「Creative Cloud」で検索)で「Apps」タブの下の方にある「すべて ▼」の部分をクリックし「以前のバージョン」を選択します。
「Photoshop」の右にある「インストール」をクリックし、「CS6」や「CC」を選択します。