Twitterで、Twitterアプリのステッカー機能(画像の上に絵文字などを合成する機能)は剥がすことができる、つまりステッカーのない元の写真に戻すことが可能であるというツイートが話題になっていました。
「顔の部分にステッカーを貼っても復元できるのでは?」と不安に思った方も多いと思いますので、実際に可能なのか、写真補正アプリである Adobe Photoshop CC 2017 で検証しました。
話題のツイート:
Twitterのステッカーで隠しとけばいいや笑
とか思ってる人が死ぬやつおいとくね pic.twitter.com/CMLPjO88jH
— える@AMVちゃんねる (@NightCoreAmvCha) 2017年5月16日
この写真を見る限り、山+湖または海の写真で、山の一部をステッカーで隠しています。
そこで、ぱくたそ という写真素材サイトで似たような構成の写真を探し、山の部分にiPhone版Twitterアプリでステッカーを合成し、実際にツイートしました。
Twitterアプリのステッカーテスト pic.twitter.com/3Ej6xccZDN
— なつき (@Stocker_jp) 2017年5月17日
ステッカーを消す方法
この写真をMacでダウンロードし、Adobe Photoshop CC 2017 で開き、[楕円形ツール]を使用してステッカー部分を選択します。
そしてdeleteキーを押すとこのようなダイアログが表示されます。ここで[コンテンツに応じる]を選択します。
すると、ステッカー部分が消えたように見えます。しかし少し不自然です。
この[コンテンツに応じる]という機能は 写真の一部を削除する際、同じ写真の別の部分からそれっぽく複製して自動修復する 機能です。
そのため、一発でうまくいく(=自然な写真になる)こともあれば不自然になる場合もあります。
不自然になった場合は、[コピースタンプツール]で画像の別の部分から複製し、なるべく自然に見えるよう修復します。
よく見れば山と空の境界が少しぼやけていますが、ぱっと見それっぽい写真になりました。
顔写真のステッカーは消せるのか?
ここまで読んだ方は「ステッカーで消しても、Photoshopを使えば元に戻せる」と思われたかもしれません。
しかし、これを人物写真の顔写真部分にステッカーを貼ったものを修復するために使用しようとしてもうまくいきません。
なぜなら、Photoshopの[コンテンツに応じる]機能でできることはあくまでも 写真の一部を削除する際、同じ写真の別の部分からそれっぽく複製して自動修復する だけだからです。
たとえば、ぱくたそから人物写真をダウンロードし、顔の部分にステッカーを貼ってツイートしてみます。
ステッカーのテスト 人物写真の場合 pic.twitter.com/MwligzVSbn
— なつき (@Stocker_jp) 2017年5月17日
※この写真も ぱくたそ より。モデルの大川さんの許可も得て掲載しています。
Photoshopの[コンテンツに応じる]で消そうとすると…
この通り、うまくいきません。なぜなら、[コンテンツに応じる]という機能は 写真の一部を削除する際、同じ写真の別の部分からそれっぽく複製して自動修復する だけだからです。
つまり、海や山の写真など、同じ写真の別の部分を複製するだけでそれっぽく修復できる写真であればステッカーを剥がしたように見せかけることは可能。しかし顔写真は無理 ということになります。
もちろん、他の「ステッカーが貼られていない顔写真」の顔部分をコピーして持ってくればそれっぽい写真を作り上げることは可能です。しかしそれは「ステッカーを剥がせる」とは言えないと思います。
「メタデータやジオタグから修復できるのでは?」という話
最初のツイートへのリプライで「メタデータやジオタグから修復できる」とリプライを送っている方がいました。
写真のメタデータ(Exif情報)やジオタグには以下の情報が含まれます。
- 写真を撮影した場所(緯度・経度)
- カメラの機種
- シャッタースピード、露出、ISO値
Twitterアプリでツイートした場合、画像からこういった情報は通常削除されてツイートされます。
万が一削除されなかったして、これらの情報を駆使してもステッカーを剥がして元の写真を復元することは不可能です。
念のため、先ほどステッカーを付けてツイートした写真をPhotoshopで見てみましたが、ジオタグなどは一切含まれていませんでした。