2023年10月5日頃、X (Twitter) でOGP画像が設定されたWebページの URLをツイート(ポスト)しても従来のようにページのタイトルや概要が表示されなくなり、OGP画像とドメイン名だけが表示されるようになりました。
このままでは、画像の投稿 なのか、リンクの投稿なのかが分かりにくくなり、「画像だと思ってタップしたら外部のページに遷移してしまった」とか、逆に「リンクだと思ってタップしたら画像だった」ということで困っている方もいらっしゃるようです。
Webメディアを運用している方や、 私のようにブログを運用している場合などは、 このままではサイトへの流入が減少するため困ると言う方もいらっしゃると思います。
そこで、この記事では、「閲覧者側」と「メディア運営者側」と「ツイート(ポスト)投稿者側」それぞれにできる対策をまとめました。
投稿者側の対策については、閲覧者側の対策の下に書いています。
閲覧者向け: Chrome拡張機能でタイトルテキストを表示する
従来のTwitterの表示に戻す拡張機能を使う
WindowsやMac、iOS版SafariやAndroid版FirefoxなどでWeb版X (Twitter) を表示している場合は、「Control Panel for Twitter」という従来のTwitterの表示に戻す拡張機能を使うことで、OGP画像はもちろんXのさまざまなUIをTwitter時代に戻せます。
早速試したところ、OGP画像の下に[ドメイン名 タイトル]が小さく表示されて、詳細な文章は表示されません。
Control Panel for TwitterはChromeだけでなく、Firefox(Android版Firefoxを含む)やSafari版(MacおよびiOS)の拡張機能もあり、ソースコードはGitHubで公開されています。
Chrome・Firefox版は無料、Safari版はおそらく審査コストがかかるため有料になっています。
- Chrome用: Control Panel for Twitter – Chrome ウェブストア
- Firefox用: Control Panel for Twitter – 🦊 Firefox (ja) 向け拡張機能を入手
- Safari用: 「Control Panel for Twitter」をApp Storeで
インストール方法は以下の記事で解説されています。
「タイムラインを常に時系列順に表示」「おすすめ非表示」などTwitterの各種項目を選んで消せてスマホにも導入可能なブラウザ拡張機能「Control Panel for Twitter」 – GIGAZINE
CSSを上書きする
多くの場合は「Control Panel for Twitter」で良いと思いますが、Web版を以前のTwitterの表示により近づけたいといった場合は、CSSを上書きするChrome拡張機能などを使用することで、より以前の見た目に近づけることができます。
twitter.com に対して、以下のCSSを適用してください。
X (Twitter) をライトモードで使用している方向け
div[data-testid="card.layoutLarge.media"] a::after {
display: block;
content: attr(aria-label);
padding: 0.5rem;
font-family: "Twitterchirp", -apple-system, BlinkMacsystemFont, "Segoe UI", Roboto, sans-serif;
color: #333;
}
/* Hide the URL floating over the image */
div[data-testid="card.layoutLarge.media"] > a > div + div {
display:none;
}
X (Twitter) をダークモードで使用している方向け
div[data-testid="card.layoutLarge.media"] a::after {
display: block;
content: attr(aria-label);
padding: 0.5rem;
font-family: "Twitterchirp", -apple-system, BlinkMacsystemFont, "Segoe UI", Roboto, sans-serif;
color: #eee;
}
/* Hide the URL floating over the image */
div[data-testid="card.layoutLarge.media"] > a > div + div {
display:none;
}
このCSSは、以下のツイート(ポスト)を参考にさせていただきました。
CSSを上書きする拡張機能はいくつかありますが、私は Stylus を使用しています。
Stylusのインストール方法や使い方は以下のページなどに書かれています。
Chrome / Firefoxの拡張機能 Stylus の基本的な使い方 – 小技チョコレート
メディア運営者向け: 画像内にタイトルテキストを含める
これは皆さん既に思いついていると思うので、詳細は省略します。
画像に文字を入れる作業を手動で行った場合、手間はかかると思います。
メディア運営者向け: OGP画像から summary_large_image を削除する
タイムラインを見ていると、summary_large_image(大きな横長画像)が設定されている投稿はタイトルのテキストが消えている一方、summary_large_image が設定されていない投稿はタイトルのテキストが表示されていることに気づきました。
たとえばWordPressプラグインのコードをいじるなどして
content=”summary_large_image” を削除し、content=”summary” のみにするのが良いかと思います。
content=”summary” は小さな正方形の画像です。
以下の投稿は、content=”summary” のみのリンクをツイート(ポスト)した例です。
リンク先の記事も参考になりました。
X (旧Twitter) の改悪アップデートについての対応策 は summary_large_image をやめる事 https://t.co/7Atdiqh2yk
— なつき🐰Webデザイナー (@Stocker_jp) October 5, 2023
この投稿をご覧いただいている方で、WordPressなどのCMSにOGPを表示するためのプラグインを開発している方がいらっしゃったら、「設定画面で summary_large_image を削除する設定を追加し、ユーザーが任意にオンオフできるようにする」、「summary_large_image 画像にタイトルテキストを合成する設定を追加する」などの機能を追加することをお勧めします。
追記: このブログでの対策: デフォルトで正方形のOGP画像を指定する
色々考えた末、このブログではOGP画像は以下のようにすることにしました。
- 今後新しく公開する記事など、横長で文字を入れた画像が用意できる場合はそれを「アイキャッチ画像」に指定する
- 過去記事など、文字を入れた画像がない場合はデフォルトの小さな正方形の画像を使用する
WordPressで「Jetpack」というプラグインでOGP画像を出力している場合、WordPressテーマの functions.php に以下のように書くとデフォルトのOGP画像を指定できます。
この場合、「完全に正方形のJPEGまたはPNG画像」をあらかじめアップロードする必要があるので気をつけてください。縦と横のピクセル数が1px違うだけでも正しく表示されませんでした。
// デフォルトOGP画像
function my_jetpack_default_image() {
// 画像URL
return 'https://独自ドメイン/ogp-image.jpg';
}
add_filter( 'jetpack_open_graph_image_default', 'my_jetpack_default_image' );
アイキャッチ画像が指定されていない投稿では、以下のようになります。
本日公開した記事です。閲覧者の方はWeb版であれば従来のように表示でき、メディアの方もちょっとした工夫で記事へのリンクだとわかりやすくできます。
X (Twitter) で従来のようにOGP画像にタイトル等のテキストを表示する方法まとめ https://t.co/pqNc6A9ZTr .
— なつき🐰Webデザイナー (@Stocker_jp) October 6, 2023
メディア運営者向け: 記事ページに「タイトル+URL」のツイート(ポスト)ボタンを付ける
これも既に思いついている方が多いと思いますが、スマートフォンOSのシェア機能を使ってツイート(ポスト)するとURLのみの投稿になってしまい、OGP画像の下にテキストが表示されないと何の記事か分からないということが発生します。
これを防ぐために、記事ページに「タイトル+URL」をツイート(ポスト)できるボタンを付ける事をお勧めします。
ツイート(ポスト)投稿者向け:
一般的に、URLはツイート(ポスト)の最後に記載することが多いかと思いますが、そうするとURLが非表示になり、OGP画像が写真のように見えてしまって画像の投稿に見えて紛らわしいということがあると思います。
その場合、「URLを最後に書かない」ということを意識してみてください。
この記事を執筆している時点では、URLより後ろに(スペースや改行を除き)1文字でも文字があるとURLのリンクが表示されます。
たとえば、以下のような方法が考えられます。
- URLの後ろにハッシュタグや .(ピリオド)などの文字を入れる
- URLをツイート(ポスト)の先頭または途中に入れる。たとえば「記事タイトル 記事URL (改行) 自分のコメント」など
今後どうするべきか?
この変更は、メディア関係者にとってSNSからの流入が減って悩ましいことはもちろん、ユーザーにとっても「画像の投稿と記事などのリンクが区別しにくい」など、誰にとっても改悪だと思っています。
なお、買収前のTwitterもFacebookも、ここ数年はホーム画面で外部リンクを含む投稿を表示されにくくするなどして外部へのユーザーの流出を防いでいるようです。
Twitter(X)やFacebookからのニュースサイトへの流入が、ずっと減り続けていますねぇ。 こういうサービスを頼りにトラフィック稼いでいるところは厳しい。 https://t.co/CBE21ghNnQ
— ヤスヒサ 🗑 (@yhassy) October 4, 2023
追記: 以下の記事によると、マスク氏は「ニュースメディアサイトはXの競合相手だという認識を繰り返し示している」そうです。
将来的には、ニュース関連の投稿、あるいはリンク付きの投稿そのものが禁止されることもあり得そうと思ってしまいました。
Xで「偽見出し」の投稿続出 ニュース記事表示の仕様変更で(Forbes JAPAN) – Yahoo!ニュース
メディア関係者も閲覧のみのユーザーも、そろそろ今後どこに移行すべきか真剣に考えなければならない時期にさしかかっていると思います。
私は↓に記載の通り、さまざまなSNSに投稿しています。よかったらこの機会にフォロー頂けると幸いです。
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