OS X 10.11 “El Capitan” では XtraFinder や TotalFinder などの Finder を拡張するアプリが使えなくなっています。
これは、アプリが El Capitan に対応していないということではなく、El Capitan の「SIP」または「Rootless」と呼ばれる新しいシステム保護機能によって、システム管理者でも変更できない領域ができたためです。
詳しくは、下記記事などで解説されています。
参考: OS X 10.11 El CapitanのSystem Integrity Protection(SIP)についてちょっと詳しく
Google で「El Capitan XtraFinder」や「El Capitan TotalFinder」などのキーワードで検索すると、「El Capitan で XtraFinder を使うために SIP を無効にする方法」のような記事が出てきますが、SIP はシステムをより安全に使うための仕組みなので極力無効にすべきでないと思います。
何より、TotalFinder の開発者である darwin さんは TotalFinder の開発の中止を示唆し、スタンドアロンなファイラーアプリへの乗り換えなどを勧めています。
(情報元: OS X 10.11 El CapitanでFinder機能拡張アプリ「TotalFinder」や「XtraFinder」を利用する方法。TotalFinderはCommander Oneへの移行を推奨。)
そこで、El Capitan では XtraFinder や TotalFinder を使用するのではなく、スタンドアロンのファイラーである Forklift の利用をおすすめします。
2016年4月追記
Total Finder の開発元は新たな開発者を迎えることで El Capitan に対応する意向を発表しました。
関連: BinaryAge、新たな開発者を加えMacのFinder拡張アプリ「TotalFinder」および「TotalSpaces」の開発を継続。 | AAPL Ch.
Forkliftでできること
XtraFinder や TotalFinder を使用している方は、おそらく以下のようなことをやりたいのではないでしょうか。
- command + ↓キーではなく、return(enter)キーでファイルやフォルダーを開きたい
- ファイル名の変更を return キーではなく、別のキーに変更したい
- ファイラーを左右2画面に分割したい
- 右クリックから新規ファイル(空のファイル)を追加したい
Forklift は、Finder とは独立したファイラーですが、OS X と親和性の高い UI で、QuickLook など Finder でできる操作はほぼ全てできるうえで、上記のようなこともできます。
キーボードショートカットの変更
Forklift は、ほかの Mac アプリと同様に、command + ,(カンマ)キーで環境設定パネルを表示することができます。
ここで[Shortcuts]タブを選択し、[Rename]または[Multi Rename]の右のリターン記号の部分をクリックして、「ファイル名の変更」に割り当てたいキーをクリックすると変更できます。
さらに、Forklift では以下のようなこともできます。
- FTP, SFTP, WebDAV, S3, iDisk, SMB 上のファイルを操作
- 2画面表示で片方の画面を SFTP にして Sync(同期)
- サーバー上のファイルを右クリックしてテキストエディターや Coda 2 などで開いて編集し、上書き保存すると自動アップロード
- マルチリネーム(複数のファイル名をまとめて書き換え)
- アプリケーションのアンインストールの際、設定ファイルなどもまとめて削除
2画面表示で片方の画面をSFTPに
私が Forklift を買った理由は、SFTP クライアントとして使いたいからでした。
それまでは Cyberduck や FileZilla のような無料で使用できるSFTP クライアントを使用していていまいち使いづらいなと感じていたのですが、Web系の情報交換会で Forklift を使っている方がいて、 UI が見やすくて使いやすそうだなと思い、買ってみました。
Forklift でサーバーを追加するには、各ファイルリスト左上の[★]をクリックするか、esc キーで Favorits を表示し、下の方にある[+]をクリックしてサーバーを追加できます。
追加したサーバーは、サイドバーの SERVERS に表示され、クリックで接続できるようになります。
サーバー上のファイルを右クリックしてテキストエディターなどで編集
サーバー上のファイルは、ダブルクリックで関連付けられたアプリで開くことができますし、右クリックメニューの[Open With > Other…]からアプリを選択して開くこともできます。
ファイルを編集後、上書き保存すると自動的にサーバーにアップロードさせて上書きされます(上書きされた時に、OS X の通知機能で画面右上に通知が出ます)。
サーバー上にあるファイルを、まるでローカルファイルのように扱えるので便利ですね。
マルチリネーム(複数のファイル名をまとめて書き換え)
複数のファイルを選択して return キー(リネームを別のキーに変更している場合はそのキー)を押すと、複数のファイル名をまとめて書き換えるためのダイアログが表示されます。
[Replace text]に検索、[with text]に置換したい文字列を入力して置換できます。
正規表現を使いたい場合は、[Replace Text]プルダウンをクリックして[Replace RegEXP]
アプリケーションのアンインストールの際、設定ファイルなどもまとめて削除
Mac では、一般的にアプリをアンインストールする場合は Finder で[アプリケーション]フォルダを開いてアプリケーションのアイコンを選択し、ゴミ箱にドラッグするか command + delete キーで削除できます。
しかし、設定ファイルなどが残ることがあり、それも含めて削除したい場合に AppCleaner のようなアンインストールアプリを使う方法がありますが、Forklift でアプリケーションフォルダーを開き、同じようにすると設定ファイルなども含めて削除するか選択できます。
Forklift には公式サイトでの直販版と、Mac App Store 版がありますが、この機能は直販版にのみ搭載されているようです。
※Adobe 製品や、Google 日本語入力など、アンインストーラーがあるアプリはそちらを使用してアンインストールしてください。
※Mac App Store からインストールしたアプリは、Launchpad でアイコンを長押ししてアンインストールすることをおすすめします。
フォルダの結合(上書き)について
Windows のエクスプローラーでは、フォルダーアイコンの上に同名のフォルダーアイコンをドラッグ&ドロップし、[上書き]を選択すると、ドラッグした方とされた方のフォルダーの内容が結合されます。
それに対し、Mac では[上書き]のような項目がなく、[置き換える]しかありません。
[置き換える]の場合、ドラッグした方のフォルダの内容でドラッグされた方のフォルダの内容が完全に置き換わってしまいます。
それを防ぐには XtraFinder や TotalFinder を使用しなければならないと思っている方も多いようですが、純正の Finder でも、Forklift でも、optionキーを押しながらドラッグし、[結合(Merge)]を選択すると、Windows の[上書き]と同じことができます。
Forkliftの購入方法
Forklift は、公式サイトまたは Mac App Store で購入できます。
Mac App Store 版は、アプリケーションの設定ファイルを含めてアンインストールする機能がないほか、アップデートが遅い(執筆時点では El Capitan 対応のアップデートが来ていないようです)ため、公式サイトでの購入をおすすめします。
執筆時点(2015/10/26)では、公式サイトでは 29.95 ドルで、Mac App Store では ¥2,400 で販売されています。
公式サイト: The most advanced file manager and FTP + SFTP + Amazon S3 + WEBDav client for Mac OS X.
Mac App Store: ForkLift – File Manager and FTP/SFTP/WebDAV/Amazon S3 client を Mac App Store で