さて、ここまででとりあえず WordPress を使った写真素材サイトの土台はできました。
しかし、「サイトが出来さえすれば、誰にも見てもらわなくていい(むしろ見られたくない)」という場合は別として、一般的には折角作ったサイトは沢山の方に見て欲しいし、利用して頂きたいものです。
私がWebにおけるプロモーションの必要性を痛感したのは、以前 イタリア旅行記 Caffè Laguna という旅行ブログを作った時でした。
これは私が初めて作った WordPress ブログで、テーマも結構こだわって作り、内容も真面目に書いていたのですがPVはとても残念な状態です。
このブログを作ったときは「タイトルや h1 に “イタリア旅行記” というキーワードを書いて、きちんと内容も書いていれば検索エンジン経由でそこそこ人が来てくれるのでは」くらいに考えていたのですが、実際は Google や Yahoo! で「イタリア旅行記」で検索しても順位が低く、内容を更新してもPVは伸びないままでした。
おそらく、この記事をご覧になっている方は はてなブックマークのホッテントリ(人気のエントリー)か Twitter 経由でお越しになった方が多いと思います。
これは「なんとなくブログを書いたら偶然ホッテントリに出た」のではなく、あれ以来趣味で作ったサイトにおいてもプロモーションを考えるようになった結果です。
目次
- MAMPやXAMPPのインストール
- WordPressの仕組み
- WordPressで作られたWebサイトやWebサービス
- WordPressでWebサービスを作るために何をしなければならないのか
- WordPressの「テーマファイル」とは
- WordPressのテーマファイルを作る: Free.Stockerの場合
- functions.php とは
- loop.php とは
- 写真のアップロード先
- 「カスタムフィールド」とは
- functions.php とは
- loop.php とは
- SEOについて
- SEOはSEO業者でないとできない?
- 内部SEOと外部SEO
- WordPressはSEOに向いている
- SEOケーススタディ: フリー写真素材サイトの場合
- All in one SEO Packの設定
- 共起語SEO
- ケーススタディ: うさぎの飼育用品のECサイト「うさぎのしっぽ」
- 便利なツール
- 「ソーシャルメディア」とは何か
- SMOとは具体的にどんなものか?
- SMOの実践
- ソーシャルメディアからの人の流れ
- はてブのホッテントリに自分のWebサービスやブログ記事を載せる方法
- はてブでの自作自演は無視される
- はてブされる記事やWebサービスを作るために
- シェアされやすいコンテンツとは
- WordPressのためのサーバ選び
- WordPressを高速に動かすために
※最後の方は多少内容が変更になる可能性があります。
個人でお金をかけずにできるプロモーション
例えば、資金の豊富な企業で作ったWebサービスであれば、訪問者を増やすために以下のようなプロモーションをすることが考えられます。
- Google や Yahoo! の検索結果に広告を出す
- 他のサイトに広告を出す
- 雑誌や電車内に広告を出す
- TVCM を放映する
- サイトの宣伝を大きく印刷したトラックを用意し、渋谷や新宿などを走らせる
しかし、個人が趣味で作ったWebサービスでこのようなプロモーションをすることは現実的ではないと思います。
なので、今回私は素材サイトのプロモーションとして「SEO」と「ソーシャルメディアマーケティング」をすることにしました。
どちらも自分でやればほとんどお金はかからないです。
SEOについて
おそらく、この記事をご覧になっている皆様は SEO が Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)の略であることや、(人によってSEOという言葉の定義は違うようですが)Google や Yahoo! などの検索エンジンで、特定のキーワードで検索されたときにサイトを上位に表示させるための手法であることはご存知だと思います。
ただ、周りの方に聞いてみると、SEOに対してネガティブなイメージ(胡散臭い、お金はかかるけど効果が出るかわからない、粗悪なページを大量生産する等)を持っている方も多いようです。
また、人によってSEOの定義は違うようで「人の役に立つ良質なコンテンツを作ること」がSEOだと思っている方もいれば「とにかくSEO業者にたっぷりお金を払って被リンクを集めまくること」をSEOだと思っている方もいらっしゃるようです。
皆様それぞれ色々な考えがあると思いますが、ここではSEOを「WebサイトやWebサービスを検索エンジンが正しく理解してくれるよう最適化し、検索エンジンからの流入を増やすこと」と定義した上で解説させていただきたいと思います。
なお、ここでは「有料リンクの購入」や「ブラックハットSEO」ではなく、あくまで正攻法のSEO(だと私が思っていること)について解説します。
SEOはSEO業者でないとできない?
色々な方に話を伺っていると「SEOはSEO専門の業者でないとできない」と思っていらっしゃる方もいるようですが、実はそんなことはありません。
SEO業者に依頼するとお金も結構かかりますし、Googleなどが検索エンジンの仕様(どうすれば順位が上がるか)を詳しく公表していない以上、確実に効果があるとは限りません。
むしろ、下手なSEO業者に依頼してしまうと被リンク(外部のページから、順位を上げたいページへのリンク)を不自然に貼りすぎたことやキーワードの無理な詰め込みにより順位が下がったり、検索結果に表示されなくなること(=ペナルティ)すらありえます。
なので、SEOは自分でやってしまいましょう。
地道な作業ではありますが、特に難しい技術を使うわけではありませんし、正攻法でやればペナルティを食らう(検索順位を極端に下げられる)ようなことはそうそうありません。
注意書き
このページでは、私が最低限やっておいたほうが良い基礎的なSEO手法だと思っていることについてまとめていますが、Googleなどが仕様を公開していない以上、このページに書いてあることをやれば確実に順位が上がるなどという保証は一切致しかねます。
万一、逆に順位が下がったという場合でも一切責任は取れませんので、あくまで自己責任でお願いいたします。
なお、既にSEOを自分でされていて、それがうまくいっている方はこのページを読む必要はないと思います。
内部SEOと外部SEO
検索エンジンは、当然ですがどのキーワードで検索されたときにどのページを上位に表示するか決めなければなりません。
順位を決定する際のアルゴリズムは現在200以上あると言われていますが、一般的に考えて「どれくらいそのキーワードと関連が深いか?」と「そのサイトがどれだけ人気のサイトか?」という2つの指標が大きく関連しとくるものと思われます。
つまり、上位表示されたければまず良質なコンテンツを作ることが第一ですが、どうせなら「このサイトはどういうキーワードと関連が深いですよ」ということをきちんと検索エンジンに伝えてあげたほうがいいですし、たくさんのサイトにリンクされたり Twitter や Facebook などのソーシャルメディアで話題になってくれれば、検索エンジンだけでなくそれ以外の訪問も増えるので一石二鳥ですね。
ここでは、前者を「内部SEO」、後者を「外部SEO」と「ソーシャルメディアマーケティング」に分けて解説します。
内部SEOとは
検索エンジンは、クローラーと呼ばれるプログラムを使って色々なサイトを巡回し、収集したデータを分析し、検索用のデータベースを作っています。
ということは、HTMLを書くときは検索エンジンが認識しやすいように書いたほうが良いということになります。
この後詳しく解説しますが、HTMLをきちんと構造化したり、サイト内のページを適切にリンクしあったりといったことは内部SEOに含まれます。
内部SEOは、「内部施策」、「オンページSEO」などとも呼ばれます。
外部SEO
先ほど、”検索エンジンが順位を決定する際のアルゴリズムとして「そのサイトがどれだけ人気のサイトか?」ということが関連してくるものと思われます” ということを書きましたが、検索エンジンがそのサイトを人気かどうか判断するための指標の1つとして、「そのサイトが、どれだけ他のサイトからリンクされているか」というものがあります。
もちろん、「サイト作ったら、頼んでもいないのに沢山の方が自然にリンク張ってくれました!」というのがベストですが、先ほど述べたイタリア旅行記ブログのように「放っておくと誰にも見られない寂しいサイトに…」というケースが大半ですので、ここではお金をかけずに、なるべく関連の深いサイトからリンクしてもらう方法について考えてみます。
外部SEOは、「外部施策」、「オフページSEO」などとも呼ばれます。
WordPressはSEOに向いている
Googleの検索エンジンを開発する部門の責任者の一人である Matt Cutts 氏は
WordPress is a “great choice” for SEO because it solves “80-90% of Search Engine Optimization (SEO).
(意訳)
WordPressを選ぶことは、素晴らしい選択です。
なぜなら、それはSEOの手法の80%~90%を解決するように作られているからです。
と WordCamp San Francisco 2009 で講演しています。
参考: Matt Cutts 氏のブログ記事(英語。Matt Cutts氏のブログも、もちろんWordPressでできています)
ここでいう「SEOの手法の80%~90%」というのは、主に内部SEOの事を指しているものと思われます。
例えば、大抵のWordPressテーマではトップページから各記事へのリンクやカテゴリページ・タグページなどへ適切なキーワードでリンクされており、孤立している(どこからもリンクされていない)ページはまず発生しないはずです。
試しに、このブログをWordPress標準テーマ TwentyTen で表示させ、トップページの1記事分をキャプチャしてみました。
「WordPressを高速化するプラグインを作りました」というタイトルの部分は<h2>タグで囲まれ、もちろんリンクになっており、カテゴリーの「Web技術」、タグの「PHP」「WordPress」の部分もきちんとリンクになっています。
内部SEOを考える際、このように<h1>、<h2>などできちんと構造化したり、適切なキーワードでリンクを貼ることはとても重要です。
昔、table タグを使って段組をしたり spacer.gif で間隔調整していた HTML から XHTML/CSS に移行するときに、なぜ移行するのかと聞いたら「検索エンジン対策だ」という話をされていた方が多かったのですが、つまりごちゃごちゃしたHTMLよりすっきりと構造化されたHTMLのほうが検索エンジンが認識しやすいということですね。
例えば、
今日のパスタ今日のパスタは新鮮なトマトとバジルを使ったのでとても美味しかった。
という書き方ではどこが見出しでどこが本文だか分かりませんが、
今日のパスタ
今日のパスタは新鮮なトマトとバジルを使ったのでとても美味しかった。
という書き方であれば、どこが見出しでどこが本文なのか一目瞭然です。
また、サイト内の別のページにリンクを貼るときは「こちら」などの文字列よりもリンク先ページの内容に応じた文字列からリンクするか、alt を指定した画像からリンクした方がSEO的にもユーザビリティ的にも良いですね。
だからといって、alt の中に無理にキーワードを詰め込んではダメです。
画像に文字列が含まれる場合、alt には画像に含まれる文字列をそのまま入れます。
悪い例
最近はこういうサイトは見なくなりましたが…
ちなみに、WordPress標準テーマの TwentyTen の場合、カテゴリページへのリンクには title 属性が付いています。
例えば「WordPress」というカテゴリページへのリンクはこんな感じになります。
WordPress
私はWebページやWebサービスからはなるべく余分な要素を取ってすっきりさせたい方なので、例えば 素材サイトのカテゴリページ には投稿日や投稿者名などの要素は一切ありません。
しかし、こういうところは外さないように気をつけています。
SEOケーススタディ: フリー写真素材サイトの場合
フリー写真素材サイトは、元々このブログの記事の先頭などに表示するイメージ写真を探していた時に「HDDの奥に、今まで撮った写真が沢山あるのにそれを活かせないのはもったいない」と思って写真を整理しようと思ったところから始まりました。
ちょうど「新しいWebサービスを作りたい」とか「WordPressをCMSとして使ってみたい」と思っていたので、WordPress用にギャラリー風テーマを制作し、素材サイトにすることを思いつきました。
趣味のサイトとはいえ、折角Webサービスとして制作するのであれば沢山の方に利用していただいたほうが嬉しいので、SEOについてもきちんと考えてみることにしました。
ターゲットキーワードの選定
まずはターゲットキーワードを決めます。
今回は無料の写真素材サイトなので、最初は「無料 写真」や「写真 素材」などが検索されたときになるべく上位表示されるよう最適化しようかと思っていました。
では、これらのキーワードで検索している方がどれくらいいるのか調べてみます。
Google AdWords キーワードツール は、どのキーワードで月間どれくらい検索されているかを無料で調査することができるので、今回はこちらを使用することにします。
Google AdWords キーワードツールにアクセスし、このように入力して [検索] ボタンを押します。
数秒経つと、このように結果が表示されます。
結果は、「無料 写真」と「写真 素材」はグローバル(全言語・全世界)/ローカル(日本語・日本)共に月間検索ボリューム13.5万〜16.5万とまあまあです。
その下を見てみると、「無料写真素材」だと3.3万に落ちますが、仮にタイトルやh1に「無料写真素材」を入れた場合「無料 写真」や「写真 素材」という検索キーワードでも引っかかるはずなので、タイトルは「無料写真素材 | Free.Stocker」のような感じで良いかもしれません。
さらに、「フリー 写真」と「フリー 素材」でも調査してみたところ、月間検索ボリュームは20万〜55万とこちらの方が多いことが分かりました。
タイトルは「無料写真素材 | Free.Stocker」にしようかと思っていたのですが、どうやら「無料」より「フリー」の方が良さそうですね。
念のため、「無料」と「フリー」が同一視されていないかもチェックします。
Googleは、例えば「ツイッター」と「Twitter」など似たキーワードを同一視しており、それは普通に検索してみれば分かります。
例えば、「ツイッター」で検索してみると
このような結果になりました。
よく見ると、「ツイッター」で検索したにも関わらず「Twitter」の部分も太字になっており、これらのキーワードが同一視されていることがわかります。
ここで「フリー」と「無料」が同一視されているか調査したところ同一視されていないことが分かったので、タイトルは「フリー写真素材 | Free.Stocker」をベースに、「無料」というキーワードやサイトの特色である「商用可」「著作権表示不要」を含め、トップページのタイトルは最終的に現在の
フリー写真素材 :: Free.Stocker【無料・商用可・著作権表示不要】
に決定しました。
ご注意
単純に検索ボリュームが大きいキーワードを狙えばよいかというと、実際には検索数が非常に多いキーワードは沢山の業者が狙っているのでなかなか上位を狙うことが難しいです。
今回のケースだと、単に「写真」という単一のキーワードで1位になれば沢山の流入があることは明らかですが、検索結果を見る限りさすがに厳しそうなので、「じっくり長期的にサイトを育てていれば検索結果の1ページ目に入れそう」ということもあって「フリー 写真」「フリー 素材」というキーワードをターゲットキーワードにしました。
また、Google AdWords キーワードツール で表示される検索ボリュームはあくまで目安であり、実際の検索数とは多少の誤差があります。
ロングテールキーワード
今回、素材としてアップロードしたい写真は1600枚以上あり、それぞれ1ページずつWordPressの記事ページを生成します。
他の無料写真素材サイトを見ると、同様の構成になってはいますが写真は大まかにカテゴリ分けされているだけで写真ごとにタグやタイトルをつけているサイトはほとんどありませんでした。
写真1枚ごとにユニークなタイトルを付けたりタグ付けをすることはかなり大変なので、個人が無料でやっている写真素材サイトでそこまでやらないのは当然だと思いますが、もしそこまできっちりやれば「ローマ 写真」や「ベネツィア カーニバル 写真」などロングテールで様々なキーワードを狙えるのではないかと思ったのと、ユーザビリティ的にもタイトルやタグがきちんと付いていたほうが写真を探しやすいので、今回は時間をかけてでもきちんと写真ごとにタイトルやタグ付けをすることにしました。
どこを見出しにすべきか、各ページのtitleタグをどうするか
一般的に重要はキーワードはtitleタグや見出しの前の方に持ってきたほうが良いので、各ページのtitleタグは
◯◯のフリー写真素材 :: Free.Stocker
としていました。
見出しは、一般的にはサイトのロゴをh1、ページタイトル(titleタグではなく記事名のこと)をh2にすることが多いかと思います。
SEO系の本を読むと、「ロゴはpタグで、ページタイトルをh1で」と書いてあることが多いので、以前制作した イタリア旅行記 Caffè Laguna ではそうしてみたのですが、特に効果を感じなかったので今回は 「ロゴをh1、ページタイトルをh2」としていました。
素材サイトをオープンしてからしばらくして「英語版をどうしようか」と考えていた頃、Webサービス開発合宿にて 日本語、英語、タイ語などの多言語SEOをされている サイトエンジン株式会社 代表取締役の毛塚さんとお話しする機会があったのでこの件について相談したところ
- 各ページのtitleタグにも、サイトの特色である「無料 商用可 著作権表示不要」を入れた方が良い
- ロングテールを狙うなら、ロゴではなくページタイトルをh1にした方が良い
- titleタグやh1にもカテゴリ名(撮影地)を入れたほうが良い
- サムネイルの上に表示されている記事名からもリンクを張ったほうが良い
とアドバイスを頂きました。
なるほど、記事数の少ないイタリア旅行記ではあまり効果がなかったh1ですが、記事数の多い素材サイトなら効果あるかも…というわけで、早速以下のように変えてみることにしました。
通常、titleタグなどを変えるときは All in one SEO Pack というWordPressプラグインを使うと便利です。
WordPressの記事ページでのtitleタグの内容は、テーマにもよりますが標準では
サイト名 » Blog Archive » 記事名
のようになってしまい、これでは記事名にキーワードを入れていてもtitleの後ろの方になってしまいますし、下手するとGoogleの検索結果ページやはてなブックマークのホッテントリページに載った時に、titleが長い場合肝心の記事名が表示されなくなってしまいます。
今回、素材サイトを作るときは色々事情があってテーマファイルのtitleタグ部分のPHPを直接いじったのですが、一般的には All in one SEO Pack を使ったほうが便利だと思います。
All in one SEO Packの設定
All in one SEO Pack をインストールするにはプラグインページからダウンロードして
WordPressのインストールフォルダ/wp-content/plugins
の中にフォルダごと入れるか、WordPress管理画面サイドバーの [プラグイン]>[新規追加] で All in one SEO Pack を検索し、インストールして下さい。
All in one SEO Pack は他のプラグインと違い、インストールしただけでは動かず、適切な設定が必要です。
インストールすると、WordPress管理画面の上の方に赤いバーが表示されると思います。
そこの「admin page」をクリックしてください。
「Plugin Status:」は「Enabled」を選択します。
(Enabled=有効)
「Home Title:」はトップページのtitleタグ(他のページのtitleタグは影響を受けない)の内容を入力します。
ページ内に表示されるh1とは別物として設定できるので、titleタグにだけ「【無料・商用可・著作権表示不要】」などのキーワードを入れるといった設定も可能です。
「Home Description:」はGoogle等の検索結果ページに表示されるサイトの概要です。
↓の画像はGoogle検索結果のキャプチャですが、「Home Description」に入力した文章がオレンジの枠で囲まれた部分に表示されます。
「Home Keywords (comma separated):」はトップページのmetaタグのkeywordsで、昔はここにサイトの内容を表すキーワードをカンマ区切りでいれていましたが、今はここに「何も入れる必要はありません」。
keywordsを使ったスパムサイトが多かったせいか、Google・Yahoo!ともにkeywordsを見なくなってしまったからですね。
「Canonical URLs:」と「Rewrite Titles:」はオンにします。
「Post Title Format:」は記事ページのtitleタグの内容を入力します。
例えば、「記事タイトル | ブログタイトル」のようにしたければ
%post_title% | %blog_title%
と入力します。
「Page Title Format:」はWordPressのページ(一般的には「このブログについて」などのページで使用されます)のtitleタグの内容を入れます。
例えば、「ページタイトル | ブログタイトル」のようにしたければ
%page_title% | %blog_title%
と入力します。
「Category Title Format:」はカテゴリーページのtitleタグの内容を入力します。
例えば、「カテゴリー名 | ブログタイトル」のようにしたければ
%category_title% | %blog_title%
と入力します。
「Archive Title Format:」はアーカイブページ(月ごとの記事一覧ページ)のtitleタグの内容を入力します。
例えば、「2011年6月 | ブログタイトル」のようにしたければ
%date% | %blog_title%
と入力します。
「Tag Title Format:」はタグページのtitleタグの内容を入力します。
例えば、「タグ名 | ブログタイトル」のようにしたければ
%tag% | %blog_title%
と入力します。
「Search Title Format:」はWordPressのサイト内検索結果ページのtitleタグの内容を入力します。
例えば、「検索したキーワード | ブログタイトル」のようにしたければ
%search% | %blog_title%
と入力します。
「Description Format:」は、一般的にはそのまま
%description%
で良いと思います。
「404 Title Format:」は「記事などが見つからなかった場合に表示されるページ」のtitleタグの内容を入力します。
例えば、「◯◯は見つかりませんでした | ブログタイトル」のようにしたければ
%request_words%は見つかりませんでした | %blog_title%
と入力します。
「Paged Format:」はそのまま
– Part %page%
で良いと思います。
「SEO for Custom Post Types:」は「カスタム投稿タイプ」という機能を使うのであればチェックします。
「Custom Post Types for SEO Column Support:」は最近追加された新機能のようで詳しくは知らないのですが、とりあえずそのままでいいのではないかと思います…
「Use Categories for META keywords:」「Use Tags for META keywords:」「Dynamically Generate Keywords for Posts Page:」「Use noindex for Categories:」「Use noindex for Archives:」「Use noindex for Tag Archives:」のチェックは外します。
「Autogenerate Descriptions:」は、先ほど解説したdescriptionを自動生成する機能ですが、私はオフにしてます。
Googleなどの検索エンジンは、ページのdescriptionがない場合はページの中から適当に文章を拾ってくるので特に設定しなくて良いかなと思っています。
「Capitalize Category Titles:」はカテゴリー名の最初の文字を大文字にするという意味だと思いますが、日本語では意味がありませんし、iPhoneが「IPhone」になるのではと心配なので私はオフにしてます。
「Exclude Pages:」は検索結果から除外したいページを個別に指定します。
一般的には何も指定しなくて良いと思います。
「Additional Post Headers:」「Additional Page Headers:」「Additional Home Headers:」は記事やページ、トップページのヘッダーに追加するものを入れるのだと思いますが、一般的には何も入れなくて良いと思います。
「Log important events:」はバグなどのログを取っておくのだと思いますが、私はオフにしています。
[Update Options]をクリックすると All in one SEO Pack が有効になり、管理画面の赤いバーが消えるはずです。
All in one SEO Packの設定については、以下のページにも詳しく書いてありました。
ALL in One SEO 使い方
内部SEOとユーザビリティの両立
サイトエンジン の毛塚さんにアドバイス頂いたとおり、記事ページのh1にカテゴリ名(撮影地)を入れることにしたのですが、私は「内部SEOだけの為にページを不自然なデザインにする」ことが嫌いなので、ここは「内部SEOとユーザビリティを両立させる方法」について考えてみることにしました。
実は、素材サイトはオープン当初記事ページに パンくずリスト(つまりカテゴリページへのリンク)がなく、どこかに入れる方法はないかなと思っていました。
h1に撮影地(つまりカテゴリページ)へのリンクを入れるならh1をパンくずリストとして使えないかと思い、以下のようにしました。
ブラウザでの見た目
HTMLソース
ボルゲーゼ公園のフリー写真素材(イタリア > ローマ)
WordPressテーマファイル(single.php)
のフリー写真素材()
WordPressでは the_category() 関数を書くだけでカテゴリー名がリンク付きで表示されるので便利ですね。
引数には、セパレータ(カテゴリー同士の区切り)として使いたい文字 > をクオーテーション ‘ ‘ で囲って入れています。
Google Analytics: 検索エンジンからの流入数
ちなみに、h1・titleタグの改修は素材サイトがオープンしてしばらく経ってから行ったのですが、その後順調に検索エンジンからの流入は増えています。
共起語SEO
他に、「内部SEOとユーザビリティの両立」のために追加したものといえば、Wikipedia の記事の引用でしょうか。
記事ページは、そのままでは単語数が少なすぎて検索エンジンにきちんとクロールされないかもしれないと思ったのと、「共起語を増やしたい」と思ったので Wikipedia の記事の引用を入れることにしました。
共起語とは、鈴木謙一さんの言葉 を借りれば「関係性が強くて一緒に用いられることが多い言葉」です。
例えば、10年以上前には「写真素材」というキーワードで上位を狙っているページには
写真素材なら写真素材のFree.Stocker
写真素材なら1600点以上の写真素材が無料で使える「写真素材のFree.Stocker」がおすすめ!
イタリアの写真素材や日本の写真素材、動物の写真素材などなど(以下略)
みたいに無理やりキーワードを詰め込んでいたりして、「こんなスパムみたいなページはすぐに通用しなくなるだろう」と思っていたらやっぱりすぐに通用しなくなって、しばらくするとSEO業者の方々は「ターゲットキーワードは7〜11%詰め込むのがいいんですよ!」などと話し始めて「そういう問題じゃない気がするなぁ」と思っていたらやっぱりそういう問題じゃなくなってきて、最近話題になっているのが「共起語SEO」ですね。
鈴木謙一さんのブログの SEOを意識した記事は、こう書く という記事に分かりやすい例文が載っていました。
以下は「パスタ」というキーワードで上位表示を狙ったページの文章です。
ピザとかリゾットとか、イタリアン全般が好きなんだけど、やっぱりパスタがいちばんよね。
特にお気に入りなのは、カルボナーラとペペロンチーノかな。
週末はイタリア料理のレシピ本を見て、キッチンにこもってるわ。
芯が少し残ってるアルデンテは、麺の茹で方の基本よね。(以下略)
「パスタ」というキーワードをひたすら連呼するのではなく、一般的に考えて「パスタ」と一緒に使われるキーワードが自然に盛り込まれていますね。
Googleは年々賢くなっているので、どう考えてもキーワードを詰め込んだページよりはこのように関連するキーワードが自然に盛り込まれた文章を書いたほうが良さそうです。
しかし、今回の写真素材サイトで1600記事分の自然な文章を1人で書くのはいくらなんでも不可能なので、記事に関連するWikipediaの項目の、最初の2段落を引用させて頂くことにしました。
残念ながら、素材サイトをオープンしたのと前後してGoogleは「Wikipediaの記事を引用しただけのようなページは評価しない」と発表したらしいので(すみませんがソースのURLは忘れました)WIkipediaを引用した部分はGoogleには全く評価されていない可能性がありますが、素材サイトを閲覧するユーザーにとって、その写真に関連する情報が見れたほうが面白いだろうと思い、Wikipedia記事の引用は残すことにしました。
一応、ソースコードはこの連載の最終回の 資料ページ に載せる予定ですので興味ある方はご覧ください。
外部SEOに関して
今回製作した素材サイトは外部サイトからの被リンクは極力自然に集めたかったので、他の個人運営の無料素材サイトや素材リンクサイトに相互リンクを申し込んだことを除けばこちらから何かを働きかけるということはあまりしていません。
ただ、このブログのサイドバーに出ている 「日めくり★イタリア」というブログパーツ は外部SEOのために配布しています。
ブログパーツの主要な部分は iframe ですが、下の「Photo by フリー写真素材 :: Free.Stocker」の部分のリンクはベタ書きになっており、写真をクリックしたことによる直接的な流入だけではなく被リンクの増加によって検索エンジンからの評価を高めることも狙っています。
他に、はてブのホッテントリに出るよう工夫したり、Twitter や Facebook からの流入を増やすためいくつか気をつけたことはありますので、それは次回の「ソーシャルメディアマーケティング」の項目に書きたいと思います。
ただ、それでは物足りないと思いますので、ケーススタディとして私が「このサイトはうまくやっているな」と思ったサイトを紹介させていただきます。
ケーススタディ: うさぎの飼育用品のECサイト「うさぎのしっぽ」
私は自宅でうさぎを飼っているので、うさぎ用のおもちゃなどをネットでよく探しています。
その時によく利用するのが うさぎのしっぽ といううさぎグッズのネット通販サイト(店舗は恵比寿や横浜にあり、ネットではグッズ販売のみ)というお店なのですが、毎回「このサイトはよく出来てるなぁ」と関心します。
なぜそういえるかというと、「うさぎの飼い主が検索するキーワードが豊富に含まれたコンテンツがある」からです。
うさぎを飼い始めたばかりの時は病気や性格など色々気になることが多くて、Googleで「うさぎ 換毛期」、「うさぎ 下痢」、「うさぎ 体重」、「うさぎ 飛行機 移動」など色々なキーワードで検索することが多いのですが、そのたびにうさぎのしっぽが上位表示されます。
なぜかというと、うさぎのしっぽのサイト内に うさぎの飼い方Q&A というコンテンツがあり、各ページにはうさぎの飼い主からメールで寄せられた質問に対して、うさぎのしっぽの方が答えるという内容になっています。
これは、元々「しっぽ通信」といううさぎのしっぽの店頭で配られているフリーペーパーの1コーナーをサイトにも載せているというものなのですが、バックナンバーが膨大で内容もしっかりしているためとにかく検索に引っかかりやすいです。
うさぎの飼い主でブログを書いている方も多いのですが、そこからも自然に被リンクが集まっているようです。
他に、うさぎの飼い主用にうさぎと暮らす日々について写真付きで投稿できるマルチブログ しっぽ倶楽部 などもあります。
このマルチブログ自体が検索結果の上位に出てきたことはないのですが、飼い主たちのコミュニティの場になっているようです。
そうやって、検索結果から「うさぎの飼い方Q&A」にたどり着いた方や「しっぽ倶楽部」利用者の方が、ついでにトップページで紹介されているうさぎのしっぽオリジナルの新商品を見てつい買ってしまう…というケースは少なからずあると思います。
(私自身も、そうやってここで買い物をしたことがあります。)
Googleは、年々スパムコンテンツ(閲覧者にとって価値のないコンテンツ)を厳しく振り分けるようになっていますが、このように閲覧者にとって価値のある情報を提供しているサイトはしっかりと生き残っていけるでしょう。
このサイトは、PV自体はそれほど多く無いと思いますが、コンバーション率(店舗への問い合わせやグッズの購入)が高く、しっかりと売上に貢献しているものと思われます。
※ ちなみに、このサイトはWordPressで出来ているわけではないようですが、WordPressを使ってもほぼ同じものを作ることはできます。
SEOチェックリスト
SEOについて気にすべきことは他にも沢山あります。
気になる方はGoogleで「SEO チェックリスト」などのキーワードで検索してみたり、Googleの ウェブマスター向けガイドライン などをチェックすると良いかもしれません。
便利なツール
Google用のサイトマップ作成
WordPress SEOを考える上で外せないプラグインとして、Google XML Sitemaps というプラグインもあります。
これは、Google用のサイトマップを自動的に作ることにより、ページのクロール漏れを防ぐためのものです。
SEOチェックツール(Webサービス)
自分のサイトが検索エンジンに最適化されているか簡単にチェックできるWebサービスもあります。
WooRank にサイトのURLを入力し、[WooRank Report] をクリックするだけです。
SEOチェックツール(Chromeエクステンション)
Google Chrome用のSEOチェックツールはいくつかありますが、私は SEO Site Tools を使っています。
インストールするとアドレスバーの横に虫眼鏡のアイコンが出ますので、気になるサイトを表示した状態でクリックするとそのサイトの情報を知ることができます。
Google の Page Rank はもちろん、SeoMoz の Domain Rank や Page Rank、Alexa のデータなど…
昔は Google の Page Rank が絶対であるかのように言われていましたが、今はあまりアテにならないと思います。
なにせ、更新が遅い(年に1回か2回程度しか更新されない)ですし、サイトの実情や Google による評価を正確に反映していないと感じることが多いです。
代わりに、私は SeoMoz の Domain Rank や Page Rank を参考にしています。
例えば、このブログは 2011/6/23 現在 Google で「NetBeans」「Mac WiMAX」「カルピスバター レシピ」などで検索したとき上位表示されるにも関わらず、Google の Page Rank は 0 ということになっています。
しかし、SeoMoz の Domain Rank は 4.01 ということになっています。
少なくとも、開設されて1年未満のサイトを評価する際は、Google の Page Rank よりも SeoMoz の Domain Rank や Page Rank の方が良いのではないかと思っています。
他に、ページが検索エンジンに最適化されているか(titleタグや画像の alt が入っているかなど)をチェックする機能や、サーバのIPアドレスや種類、管理会社を調べることもできるので「この規模のWebサービスはどんなサーバを使っているか」を知るのにも使えます。
他に、nofollow がついているテキストリンクの背景色を赤色にする機能もあります。
(nofollow がついているリンクからリンクされても、被リンクとして評価されない)
以上で、SEOの基礎についての話は終わりです。
他に色々書きたいこともありますが、長くなりすぎたのでこのへんで…
今回、この記事を書いていて改めて思ったのですが、SEOは奥が深い世界ですね。