この記事は、まだまだPHP 5系でWordPressを使用している方が多いため注意喚起として書きました。
先日Twitterでアンケートをとったのですが、PHP 5系が2018年末でサポート終了するということはあまり知られていないようです。
WordPressを利用されている方向けのアンケート: PHP 5.xは2018年内でサポート終了することを知っていましたか?
Twitter Webやアプリの投票機能でご回答ください。— なつき@Webデザインスクール土曜開催 (@Stocker_jp) 2018年12月15日
※ここで言うサポート終了というのは電話サポートのような意味ではなく、「セキュリティアップデートがなくなる」ということです。
たとえば、2014年にWindows XPのサポートが終了した時のように、今後使用し続けるのが大変危険であるということを指しています。
それぞれのバージョンごとのサポート期限について
PHP公式サイトには以下のようなグラフがあります。
赤い破線が記事を執筆した日を表しています。
このグラフによると、PHP 5.6は2018年末にサポートが終了します。
つまりこの記事が公開されてから一週間後にはサポートが終了するということです。
なお、PHP 7.0は既にサポートが終了しています。
現在使用しているPHPのバージョンが分からない場合は
多くのレンタルサーバーはサポートページや管理画面などにPHPのバージョンが書かれているはずです。
日本の代表的なレンタルサーバーについて調べたところ、多くのレンタルサーバーはPHPのバージョンは自動アップデートはせず、サーバーを使用しはじめた時期のバージョンを維持する設定になっているようです。
現在使用しているPHPのバージョンが分からない場合は、以下の内容のファイルを作り、ファイル名と拡張子を test.php にしてレンタルサーバーにアップロードし、Webブラウザでアクセスします。
するとPHPに関する情報ページが表示され、その中にバージョンが書かれています。
※バージョンを確認したあとは test.php ファイルを削除しましょう。
PHPのバージョンを切り替える
レンタルサーバーによっては管理画面からPHPのバージョンを切り替えることができる場合があります。その場合はPHP 7.2など、なるべく新しいバージョンに変えた方が良いでしょう。
特にWordPressを使用している場合、PHP 7系に変えられないレンタルサーバーは今すぐ使用をやめ、ほかのサーバーに移転した方が良いでしょう。
ちなみに、WordPress公式サイトでは以下の環境を推奨しています。
(この環境でなければいけないというわけではありませんが、この環境が望ましいということです)
- PHP バージョン 7.2 以上。
- MySQL バージョン 5.6 以上、または MariaDB バージョン 10.0 以上。
- HTTPS 対応
PHP 5系がサポートされ続けるサーバーもある…が
Linuxに詳しい方であれば、PHP 5系が延長サポートされるサーバーもあるということをご存知かと思います。
たとえばRHEL (Red Hat Enterprise Linux) の場合、PHP 5.xに独自にパッチを当てているため、OSのサポート期限まではサポートされます。
しかし、多くのレンタルサーバーでは、PHP 5系の使用は「非推奨」とされています。
私は、特にWordPressを使用している場合はPHP 7系にアップデートすべきと考えています。
なぜかと言うと、WordPressプラグインの中には最近のアップデートでPHP 7系の書き方でプログラムが書き直されており、PHP5系では動作しなくなったものが複数あるからです。
WordPressプラグインのレビューを読んでいると「アップデートしたらPHP 5.3で動かなくなったのでダウングレードしました」などというものがありますが、WordPressプラグインをアップデートせずに古いバージョンを使用し続けることは大変危険 です。
WordPressで作られたブログやWebサイトが乗っ取られる原因の多くはプラグインのバージョンが古く、脆弱性を放置していたことにあります。
PHPのバージョンに合わせてWordPressプラグインを古いまま放置するのではなく、PHPをアップデートしてWordPressプラグインもアップデートすべきです。
というわけで、ご使用のレンタルサーバーがPHP 5系の延長サポート受けられるかどうかにかかわらず、少なくともWordPressを使用する場合はPHP 7系に切り替えるべきであると考えています。